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2016 年度 実績報告書

食生活における脂質・炭水化物の種類と量は大豆の脂質代謝改善作用に影響するか?

研究課題

研究課題/領域番号 26350138
研究機関国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

高橋 陽子  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門 食品健康機能研究領域, 上級研究員 (50353933)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード大豆食品 / 脂質代謝 / 食品組み合わせ / 高スターチ食 / 高スクロース食 / 高脂肪食
研究実績の概要

前年度の高スターチ食条件に続き、高スクロース食、高脂肪食条件において、3種類の大豆食品(煎り大豆、大豆飲料、蒸し大豆; 栄養成分の組成はほぼ同等)がそれぞれ脂質代謝にどのような影響を与えるか、ラットを用いた食餌試験で比較した。
加工過程が異なる大豆食品間で違いが見られたパラメーターのひとつは糞便中の総脂質量であった。その量は煎り大豆 ≦ 蒸し大豆 ≦ 大豆飲料であり、高スターチ食では各大豆食品間に有意差が見られた一方、高スクロース食では食品間の差が小さくなっていた。乾燥糞便重量は大豆飲料と比べて煎り大豆で有意に多く、蒸し大豆と大豆飲料の間には有意差がなかった。これらの違いは、食品に含まれる食物繊維量等の成分に起きた調理加工による変化が影響している可能性がある。
肝臓での胆汁酸合成の律速酵素であるCyp7a1のmRNA発現量は、高スターチ、高スクロース食では大豆食品摂取による有意な影響は示されなかったが、高脂肪食条件下では大豆飲料、蒸し大豆摂取群で有意に増加した。このCyp7a1のmRNA発現量は、糞便中への胆汁酸排出量の変化との相関が認められた。さらに、肝細胞から胆汁へのコレステロール排出に関与すると考えられている肝臓のAbcg5とAbcg8のmRNA発現量は、大豆食品摂取により増加し、血清コレステロール濃度と逆の相関を示した。肝臓でのコレステロール濃度には大豆食品摂取の影響がなく、コレステロール合成酵素のmRNA発現量は血清コレステロール濃度との相関がなかったことから、これらの大豆食品摂取による血中コレステロール濃度減少には胆汁を介したコレステロール排出促進が関与していると考えられた。
一方、肝臓での脂肪酸合成系酵素の活性およびmRNA発現量はいずれも大豆食品により有意に低下したが、大豆食品間の差、食餌条件の違いによる応答の変化は認められなかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Comparison of the effects of differently processed soy foods on lipid metabolism in rats2017

    • 著者名/発表者名
      Yoko Takahashi, Takahiro Ishiguro, Hisashi Murasawa, Yuko Ishikawa-Takaho, Jun Watanabe, Kohji Yamaki
    • 雑誌名

      Food Science and Technology Research

      巻: 23巻 ページ: 163-168

    • DOI

      http://doi.org/10.3136/fstr.23.163

    • 査読あり
  • [学会発表] 調理加工が大豆食品の脂質代謝調節機能に及ぼす影響:スターチ食とスクロース食における比較2017

    • 著者名/発表者名
      高橋陽子、八巻幸二
    • 学会等名
      日本農芸化学会2017年度大会
    • 発表場所
      京都女子大学(京都府京都市)
    • 年月日
      2017-03-18

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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