研究課題/領域番号 |
26350139
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
近藤 春美 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (80401602)
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研究分担者 |
池脇 克則 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, その他部局等, 教授 (40287199)
綾織 誠人 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, その他部局等, 助教 (70532464) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | HDL / ポリフェノール / コレステロール |
研究実績の概要 |
高比重リポ蛋白(HDL)は、動脈硬化巣マクロファージ中の余剰なコレステロールを肝臓に運搬するコレステロール逆転送(RCT)を担う抗動脈硬化性リポ蛋白であり、動脈硬化予防の新規治療ターゲットとして注目を集めている。申請者は様々な食品由来のポリフェノールがマクロファージのコレステロールトランスポーター発現を増加させ、RCTを活性化することを報告している。また最近、小腸コレステロールトランスポーターNPC1L1(Niemann-Pick C1 Like 1)阻害薬であるエゼチミブがハムスターのRCTを促進することを見出した。本研究では、小腸をRCTにおける重要な臓器と位置づけ、コレステロール吸収阻害作用を有するポリフェノールを網羅的に探索している。昨年度はクルクミンについてコレステロール排出作用を検討したが変化は認められなかった。本年は、クルクミンと同様にNekohashiらによりコレステロール吸収抑制作用を有すると報告されたポリフェノールのうち、ケルセチンに着目してコレステロール排出作用を検討した。実験方法は、マウスに0.5%コレステロール食と0.5%コレステロール食+0.05%ケルセチン食を2週間与えた後、放射能ラベルしたコレステロールを含むマクロファージを腹腔注射した。その後、糞便中に排出された放射能量を測定することによりコレステロール排出能を評価したが、両群間で差は認められなかった。したがって、昨年のクルクミンに続き、ケルセチンにおいてもコレステロール排出促進作用は認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度中に、コレステロール吸収抑制作用を有するポリフェノールの中で、コレステロール排出促進作用を有するポリフェノールも見出す予定であったが、現在のところ、まだそのようなポリフェノールは見つかっていない。
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今後の研究の推進方策 |
本年度までクルクミンやケルセチンなどのコレステロール吸収を抑制するといわれるポリフェノールではコレステロール排出促進はみとめられなかった。今後は、これらと同じくコレステロール吸収抑制作用を有するポリフェノールと報告されているヘスペレジンやヘスペレチンなどの柑橘類に含まれるポリフェノールに着目して、コレステロール排出促進の検討をマウスを用いて行う。また、これまでのポリフェノールの投与方法は、混餌のみであったが、胃ゾンテで投与するなど異なる投与方法についても検討する。
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