研究課題/領域番号 |
26350141
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
鵜飼 光子 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (20160228)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 食品分析 / 機能性 / 活性酸素種 / ESR |
研究実績の概要 |
電子スピン共鳴分光法(以下、ESR法)を活用し、複数の異なる活性酸素種に対応した抗酸化評価法を確立し、食品の新たな機能性評価法に繋げること目的とし、平成26年度は活性酸素種の発生系の検討を厳密に行った。ヒドロキシラジカルの発生系については過酸化水素にUVを照射する条件を検討した。スーパーオキシドラジカルの発生系についてはヒポキサンチン・キサンチンオキシダーゼを用いた酵素系を検討した。酵素系ではブランクのアダクト信号の強度が必ずしも安定しないことが明らかになった。そこで、UV照射でのスーパーオキシドラジカルの発生系をリボフラビンを用いる条件で詳細に検討した。食品分析に応用できるラジカル発生系の確立について基礎的な知見を得ることが出来た。 ラジカルトラップ剤としてCYPMPOを用いることにより再現性の高いスピントラップ法が可能になる。市販のCYPMPO は大変高価なので、実験室でのCYPMPO の新たな合成方法を検討した。精製度は低いが比較的多量のCYPMPOを合成する方法を見出した。精製度をあげ、更に大量に合成できる方法を目指している。 ESR測定条件の検討を詳細に行い、アダクト信号が明瞭に観測できる条件を測定パラメーターを変えて検討し、最適条件の確立ができた。 ESR法はラジカルを直接計測できる精密分析法である。しかし、食品分析への導入は限られている。本研究によりESR法が新たな機能性評価法として活用できることは大変意義深い。機能性評価法には多くの方法が報告されているが、厳密な方法はない。ESR法を導入する事で活性酸素種毎に捕捉活性を計測できるので、機能性評価法として非常に重要である
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
スピントラップ剤CYPMPOの合成について、食品分析に応用できるよう、大量合成を検討した。精製に多くの時間を要してしまった。スピントラップ剤CYPMPOは市販されているが大変高価である。実験室で簡単に大量合成できるようにすることは大変重要である。
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今後の研究の推進方策 |
活性酸素種の発生系を検討し、ヒドロキシラジカルやスーパーオキシドラジカルだけでなく、計測できるラジカルの種類をふやす。スピントラップ剤CYPMPOの合成を継続して検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験計画が予定したように進まなかったことによる。
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次年度使用額の使用計画 |
実験に用いる試薬類や器具類類などの物品費、及び謝金は次年度である平成27年度に使用する。
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