| 研究課題/領域番号 |
26350149
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| 研究機関 | 青森県立保健大学 |
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研究代表者 |
佐藤 伸 青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (40310099)
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| 研究分担者 |
片岡 沙織 青森県立保健大学, 健康科学部, 助手 (30712343)
向井 友花 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (60331211)
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| 研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| キーワード | 胎生期低栄養 / 肥満 / 炎症細胞 / 線維化 / 栄養センシング / AMP活性化プロテインキナーゼ / 哺乳類ラパマイシン標的タンパク質（mTOR） / 茶カテキン |
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| 研究実績の概要 |
長期にわたる高脂肪食の摂取は、腎臓において炎症や線維化を増強するという。一方、茶カテキン類は、成人や成獣を用いた動物実験で肥満を改善するが、妊娠期や授乳期の栄養環境に起因する肥満を軽減するかについてはよくわかっていない。
今年度は、妊娠期および授乳期に低蛋白食に曝された母ラットが授乳期に摂取する緑茶抽出物(GTE)の生理機能を明らかにするために、離乳から高脂肪食を負荷し続けた45週齢雄性仔ラットの腎臓の炎症細胞の浸潤や線維化に及ぼすGTEの影響を検討した。その結果、授乳期にGTEを摂取せず、離乳後に高脂肪食を負荷した群（LPC-F群）では、高脂肪食を負荷しなかった群（LPC-C群）に比べて単位面積当たりの線維化面積率は有意に増加したが、授乳期にGTEを摂取し離乳後に高脂肪食を負荷した群（LPH-F群）では有意に減少した。また、LPC-F群に比べてLPH-F群では、線維化を増強するTransforming growth factor-βの発現量が有意に減少していた。これらの結果は、授乳期に摂取したGTEは高脂肪食を摂取して拡大した線維化を軽減することを示していた。また、LPC-F群に比べてLPH-F群では、線維化の進展に寄与するマクロファージの陽性数や炎症性サイトカインの１つであるTumor necrosis factor-αのmRNA量が有意に減少した。これらのことは、授乳期に摂取したGTEは腎臓の炎症を抑制することを示していた。
以上から、当初の目的とは若干異なるが、授乳期に摂取したGTEは腎臓の炎症や線維化を軽減することが示唆された。肥満の発症では、エピジェネティクスな働きが関与しているという。今後、妊娠期や授乳期に低栄養に曝された仔ラットに生じる肥満においてGTEがエピジェネティックな制御にどのような影響を及ぼすかを明らかにする必要がある。
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