研究課題
正常体重の者に対し、 緑茶フラボノイド摂取 (緑茶試料の実測値) は、内臓脂肪面積、 BMI、腹囲に負の関連があることを見出した。内臓脂肪面積やBMIだけでなく、緑茶飲用にも季節変動があり、両者の関連は季節による影響を受けることを明らかにした。なお、午前または午後の緑茶飲用で肥満予防効果が、また、食前では、インスリン濃度の上昇 (正常範囲内) による血糖値の上昇の抑制、除脂肪 (筋肉) でインスリン抵抗性の抑制が期待できることを示した。血清LDL-C濃度は生活習慣要因のみでは推定できていないが、遺伝子要因として、ジャポニカアレイ測定による約66万SNPsから、科学的エビデンスに基づく77SNPsを選出して推定の作成を試みた。その結果、4 SNPsを変数として加えることで、炭水化物と食物繊維、エネルギー、エタノール摂取量が負に関連する血清LDL-C濃度の推定式を確立できた。食物摂取頻度調査票と四季3日間の食事記録による栄養素摂取量で同様に推定式を算出したところ、季節の影響を受けることが示唆された。全期間を通じた本研究の成果は、1) 次世代シークエンサーによる腸内細菌叢の種レベルの測定データを栄養疫学研究に適用できることを確認、2) 前立腺や乳房のがんの一次予防に役立てるため、大豆イソフラボンであるダイゼインをエコールに代謝する腸内細菌の四季毎の保菌率と、その季節変動を明らかにした、3) 緑茶摂取には季節変動があり、時間栄養学的な影響を受けることを明らかにし、4) 遺伝子要因と生活習慣要因を同時に考慮することで、血清LDL-C濃度管理と食事指導の評価に役立つ血清LDL-C濃度の推定式を確立した。今後、がん検診や健康診断時の栄養指導において、緑茶摂取、腸内細菌叢の測定、血清LDL-C濃度の推定式の有用性を評価していきたい。
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J Epidemiol.
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10.1016/j.je.2016.08.008.
http://www.jmicc.com/feature/feature12/