研究分担者 |
武藤 志真子 女子栄養大学, 栄養学部, 名誉教授 (40076162)
吉本 優子 帝塚山学院大学, 人間科学部, 准教授 (40255914)
池田 裕美 日本大学短期大学部, 食物栄養学科, 准教授 (20442121)
神戸 絹代 日本大学短期大学部, 食物栄養学科, 教授 (70369453)
中山 洋 東京電機大学, 理工学部, 教授 (10287435)
|
研究実績の概要 |
2年目のテーマは「食と元気のつながりを知ろう」,「エネルギー・糖質・脂肪・塩分摂取と間食,水分補給の摂り方」とし,6月「人生健康ゲーム作り」のグループワーク(以下GW),7月事前調査(体組成測定,事前質問紙調査,FFQg,間食マッピング),9月間食・水分補給GW,12月遠隔交流授業(昼食コンビニシュミレーション),3月事後調査を行った。 食事傾向は,肉食大好き,清涼飲料よく飲む,食べすぎるが多く,生活習慣病予測は,ニキビ・肌荒れ,高血圧症,糖尿病が多かった。2年目のFFQg結果では,菓子類の摂取量は全体では減少したが,対照群女子のみ変化がみられなかった。間食は四六時中食べているパターンが多く,清涼飲料週当たり頻度は平均4.6回,1回あたり350mlであった。コンビニ昼食選択タイプ性別では,男子は主食・主菜(野菜無し),女子は主食・エンプティタイプが有意に多かった。 遠隔交流ではSkypeによる画面共有機能,GWではクイズ回答提出にロイロノートを活用した。1,2年目の授業比較では,タブレット活用はわかりやすいと評価が高かった。 体重と関連する食習慣・食行動・体質に関する質問紙調査の事前調査全数について因子分析を行った結果,因子1(満腹・空腹感覚食動機),因子2(食事内容),因子3(ストレス過食),因子4(外発的食動機)であった。N校男子介入群は有意ではないが,いずれの因子も平均得点は低下(問題改善),対照群の得点は上昇した。N校女子介入群は因子4の得点が有意に低下し,対照群の得点は上昇した。U校女子は介入群で因子4の得点が有意に低下した。女子介入群は両校とも因子4(外発的食動機)で改善傾向がみられ,物を食べる動機が生理的動機ではなく他人の言動や食べ物からの五感刺激によって食べてしまうことが減った。高校生の食育実践介入は肥満に関心の高い女子の方に効果的で,外発的食動機のコントロールが重要と推察される。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高校生を対象とし「生涯にわたる適正体重の維持,生活習慣病の予防」を目指した食育を3年間実践し,その効果を検証することを目的とする。事前調査,食教育授業グループワーク1回目「人生健康ゲーム」の作成,2回目「エネルギー・糖質・脂肪・塩分摂取と間食,水分補給の摂り方」,遠隔交流授業,事後調査の5フェーズとした。1回目の食教育授業GWは6月に各校にて介入群を対象に実施した。「食と元気のつながりを知ろう」では1年目に実施したFFQgの結果を見ながら,自分の食事傾向,栄養状況,生活習慣病の可能性,自分で出来ること,改善したい項目にチェックをさせた。「人生健康ゲーム」について,年代別マス,体重増減,ハッピー,アクシデント,自由マスを考える課題とした。あらかじめゲーム基盤が印刷された模造紙に,マスを貼付させ,完成後,全班にタイトル,キャッチコピー,特徴について発表させた。事前調査は7月に食に関する自己効力・食習慣・食行動・体質・体重管理に関する質問紙調査,食物摂取頻度調査(FFQg),間食マッピング,体組成測定を行った。2回目の食教育授業GWは9月に各校にて,「エネルギー・糖質・脂肪・塩分摂取と間食,水分補給の摂り方」について,ロイロノートを活用し,クイズ形式で実施した。遠隔交流授業は12月に両校をSkypeにて接続し,画面共有機能,ロイロノートを活用し実施した。授業始めに学校紹介を行い,BMI,1日に必要なエネルギー量の計算,昼食エネルギー配分,コンビニ活用のポイントについての説明をクイズ形式で行った。コンビニシュミレーションでは,各班にコンビニカードを配布し,各自,昼食をととのえさせた。表計算アプリで,栄養素等の確認とエネルギー産生栄養素バランスをチェックし,最後に各班で理想のコンビニ昼食を提出させた。事後調査は3月に介入群,対照群とも実施した。当初の計画どおり5フェーズを実施できた。
|