加齢マウスへのZnの長期間投与により記憶障害が現れるかを調べた結果、視覚的認知記憶の指標となる新奇物質探索試験(ORT)及び長期記憶の指標となる受動的回避学習試験(PA)で用量依存的に記憶能の低下が認められた。高脂肪食がZnによる記憶能低下に影響を与えるかをZn 200ppm長期間投与で調べた結果、PAでは普通食群に比べて高脂肪食群で記憶能が低下したが、ORTでは逆に上昇した。Zn投与量を500ppmに増やし、さらに確認した結果、文脈記憶の指標となる恐怖条件付け試験では普通食群に比べ高肪食群で記憶能の低下が認められたが、ORTでは逆に高脂肪食で記憶能の上昇が認められた。
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