研究課題/領域番号 |
26350164
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研究機関 | 帝塚山学院大学 |
研究代表者 |
吉本 優子 帝塚山学院大学, 人間科学部, 准教授 (40255914)
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研究分担者 |
吉田 大介 大阪市立大学, 人文社会系研究科, 准教授 (00555344)
中野 秀男 帝塚山学院大学, 人間科学部, 教授 (40093439)
梅本 真美 帝塚山学院大学, 人間科学部, 助手 (40625464)
奥田 豊子 帝塚山学院大学, 人間科学部, 教授 (90047308)
片井 加奈子 同志社女子大学, 生活科学部, 准教授 (90325291)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 食品重量 / 重量見積り / 3次元表示画像 / 実寸大表示 / eラーニング / ICT(情報通信技術) / 栄養士 |
研究実績の概要 |
様々な理由から食事コントロールが必要になると,食品・料理重量の毎回の実測は現実的でないことから,その対象者は重量を見積らなければならなくなる.しかしながら,対象者はもちろんのこと,担当の管理栄養士にとっても,見積力の習得は容易ではない.本研究では,そのような場合に役立つ食品・料理重量見積力習得のための教育プログラムを,近代的な教育手法とICTとを活用して構築している.教育面では行動変容の概念を採り入れ,ICTではeラーニングによる段階的学習を採り入れている.基本的な教育効果の向上を図るとともに,eラーニングでは3次元表示画像を採用することで,より一層の教育効果向上を目指している.設定した項目ごとに行う定量評価により方針を明確化しながら,栄養教育のための食品・料理重量見積力習得プログラムを構築する. 本年度は,(1)利用画像を評価項目として,2次元画像(2D)と3次元表示画像2種類(360度立体回転画像(Turn)および一般的な360度立体画像(3D))を採用し,食品重量の「見積りやすさ」に関する視覚的な認知度を検討する調査プログラムを作成して適用調査を行った.形状などを考慮して24種の食品を採用した.食品の3種類画像をPCに実寸大に表示した.調査対象者を434名,栄養士・管理栄養士課程生および社会人として,5件法で見積もりやすさを評価した.その結果,見積りやすさは3D,Turn,2Dの順で,平均得点は3Dで3.5点,Turnで3.0点,2Dで2.4点であった(p<0.01).見積りの困難な液体や粒子状の食品うち,球状食品については3D画像とすることで見積りやすさが向上した.以上の結果を基礎データとして,(2)実寸大表示の2種類の3次元表示画像を採用したeラーニングシステムの開発に着手した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度の研究実施計画を概ね達成できているが,実寸大表示の2次元画像と2種類の3次元表示画像それぞれによるeラーニングシステムを管理栄養士課程生(21名)に試用してもらい形成的評価を実施したが,統計解析が進んでおらず,次年度内には分析をすすめたい.
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今後の研究の推進方策 |
次年度(平成27年度)は交付申請書に記載されている平成27年度の研究実施計画に基づき,本年度(平成26年度)に構築した実寸大表示の2種類の3次元表示画像それぞれによるeラーニングシステム(画像表示を実物大に補正するプログラム機能導入)の有効性を比較検討する.調査対象者を教育介入群(2次元表示画像と2種類の3次元表示画像の学習コース)と非教育介入群に分け,一定期間の教育訓練を行い,事前・事後調査(重量見積り意識や行動などの質問項目)および重量見積力試験を行った結果から,見積力に影響する要因分析を行い,3次元表示画像を利用したeラーニングシステムの教育プログラムとしての有効性を評価,検討する.調査対象者は,複数の大学の栄養士・管理栄養士課程生を予定している.そして,その結果をもとに教育プログラム構成方針を明確化し,より有効性の高い栄養教育のための食品・料理重量見積力習得プログラムを開発する.
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次年度使用額が生じた理由 |
質的データを解析するテキストマイニングソフトウェア(WordMiner \150,000)を購入する予定であったが,当該年度の予算では予算不足で購入できなかったため,次年度の予算での購入予定に変更したからである.
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次年度使用額の使用計画 |
テキストマイニングソフトウェア(WordMiner \150,000 富士通エフ・アイ・ピーシステム)を購入予定である.
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