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2014 年度 実施状況報告書

食材由来AhRリガンドの特性解明と活性値の食事バランス評価への応用

研究課題

研究課題/領域番号 26350168
研究機関松山大学

研究代表者

天倉 吉章  松山大学, 薬学部, 教授 (50321857)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード食品 / 食生活 / 食事バランス
研究実績の概要

本研究では,個々の食材のアリル炭化水素受容体(AhR)活性が免疫コントロール値として食生活のバランス評価の指標に応用可能であるか検討する.その可能性を探る目的で,各種食材のAhR活性を評価し,さらに食品(主に主食)由来のAhR活性成分を探索する.今回は初年度であることから,まず評価法について比較検討した.本評価法としてあげているレポータージーンアッセイ(ケイラックスアッセイ)はマウス由来の組換え細胞を用いる.そこで,ヒト由来の組換え細胞を用い,両者を比較した.その結果,感度に差があるものの,両評価法でほぼ同じ挙動を示す傾向が観察された.感度はケイラックスアッセイの方が概ねよく,本課題は活性を数値化するところまで視野に入れていることから,評価はケイラックスアッセイを軸に実施することとした.本アッセイにより,食品試料として,穀類,イモ類,豆類,種実類,野菜類,果物類,きのこ類等,約50種の食品エキスを調製してAhR活性を評価した.その結果,クルミ,アズキ,ごま,大豆,パセリ,三つ葉,大葉,ブロッコリー等のエキスに活性が認められた.また個々の活性の強弱に差はあるが,検討試料の多くはAhR活性を示し,指標値としての応用へ期待がもたれる結果となった.
また,主食である米と糠についてAhR活性成分を精査した.糠エキスについてカラムクロマトグラフィーを行い,tryptophan,adenosine,6-O-feruloylsucrose,p-coumaroylsucrose,6-O-sinapoylsucroseを単離,同定した.単離した化合物のAhR活性を評価した結果,tryptophanに活性が認められた.米エキスについては鍵となる成分の量産を現在行っている.また,活性の認められたクルミ,アズキについて,活性成分を精査中である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は活性成分の単離・精製に多少の時間を要しているところもあるが,評価法を決めて方向性を示し,予定した一連の食材についてもAhR活性を評価することができた.また数値化することに一定の感触をつかむこともできており,おおむね従来の計画通りの方針で研究を進めることが出来ていると思われる.

今後の研究の推進方策

数値化に向けた今年度の結果を踏まえ,AhR活性を評価する対象食材の数をより多く設定し,多様な食材のデータを集めるようにする.また,食品由来のAhR活性成分を解析し,活性成分の特性解明を試みる.さらに,活性成分の免疫活性を評価することで,腸内環境改善作用についても評価し,免疫コントロールと天然AhRリガンドとの関連性について検討する.

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じたのは,試料調製,活性測定及びカラムクロマトグラフィーの実施時期がずれたことが主な理由である.研究自体は当初の研究計画通りに進捗している.

次年度使用額の使用計画

機器は既存のもので実施可能のため,試料や培養試薬等の消耗品,成果発表等の旅費,論文投稿料等を予定している.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] タンニン研究を基盤とした“キーとなる”天然ポリフェノールの解析2014

    • 著者名/発表者名
      天倉吉章
    • 学会等名
      日本生薬学会第61回年会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2014-09-12
    • 招待講演

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公開日: 2016-05-27  

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