研究課題
健康成人を対象とする内田-クレペリンテスト計算負荷後の交感神経優位な自律神経バランスの変動に対して、テアニン前摂取では計算負荷による交感神経優位な変動は認められなかった。また、テアニン前摂取は副交感神経活性優位な自律神経バランスの変動をもたらす可能性を示唆した。これらの結果は、「第69回日本薬理学会西南部会」および「第90回日本薬理学会年会シンポジウム14病態生理学および薬理学研究における自律神経バランスの新しい評価システム」において発表した。さらに研究分担者である柳原は、ウシ副腎髄質細胞初代培養系を用いたカテコールアミン分泌及び生合成系において、フラボノイドIkarisosideAや松節抽出物SJ-2がそれらの分泌を抑制することを明らかにした。最終年度では、ウェアラブル生体センサ(Silmee, 東芝製)を用いた自律神経バランス測定の簡易化を推進した。研究分担者である柳原らが開発した自律神経バランスにおける自動測定ソフトを用いて、計算負荷後の自律神経バランス変動に対するテアニン前摂取の検討を行なった。その結果、①新たに開発された自律神経バランスの自動測定システムは、従来観察されていた卓上心電計による自律神経バランスと同様な評価ができることを確認した。②計算負荷ストレスにより交感神経優位が観察されたが、その変動をテアニン前摂取により抑制した。③テアニン摂取により交感神経/副交感神経の活動比の値が低下した。以上の結果は、ストレス負荷による交感神経系の緊張をテアニンが抑制し、さらに副交感神経系を高めていることを示唆し、興味ある結果が得られた。今回検討した自律神経バランスの自動測定システムは、自分で自分の自律神経バランス測定が可能となり、日常生活の自律神経バランスの把握はもとより、日常の食品摂取、食材や食生活と自律神経バランス変動との関係を明らかにするツールとして期待される。
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