研究課題/領域番号 |
26350173
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研究機関 | 女子栄養大学短期大学部 |
研究代表者 |
岩間 範子 女子栄養大学短期大学部, その他部局等, 教授 (20331415)
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研究分担者 |
川端 輝江 女子栄養大学, 栄養学部, 教授 (80190932)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 子どもの肥満 / 子どもの食生活 / 栄養教育 |
研究実績の概要 |
対象とする久米島は人口規模が小さく小学校6校、中学校2校、高校1校であり、成長期から思春期までほぼ同じ環境に中にある。このことに着目し、①食環境が類似している集団の中で、肥満を生じる要因と、食生活及び生活習慣との関連について検証する。②成長期における「望ましい食習慣形成」には「健康と食」に関する教育をどのような形で行うことが有用であるかについて検証することを目的としている。 今年度は、久米島町福祉課が実施している「子ども健康プロジェクト」の一環として、教育委員会、福祉課、久米島町立病院小児科医師等と連携を取りながら進めた。 身体状況(身体計測・血液検査など)は毎年新学期初めに実施される「子ども健診」のデータを共有することとし、血液検査に関しては、一般成分は福祉課が専門機関に依頼し分析、採血時に血液の一部を分注し、女子栄養大学にて主に脂肪酸組成について分析した(研究分担者担当)。血液組成と食生活の関連を確認するために、健診時期に栄養摂取状況(カメラ及び記録による食事調査・食習慣調査など)を実施した。 これらと平行し、中学校2校を栄養教育を実施する介入校と非介入校(対照校)にわけ、介入校に4回の栄養教育を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当年度は、食生活と健康状態の関連(食事内容と血液組成の関連など)を検証するために、久米島町福祉課で実施する「子ども健診(身体計測・血液検査など)」の実施時期(5月中旬)にあわせ、栄養摂取状況(カメラ及び記録による食事調査・食習慣調査など)を実施した。血液の一般成分は久米島町が専門機関に依頼して分析し、血液は一部を分注して女子栄養大学にて脂肪酸組成を中心に分析(研究分担者担当)を行った。 島内の2つの中学を栄養教育実施する介入校と非介入校(対照校)にわけ介入校に対して年4回(平成27年7月、9月、12月、平成28年3月)各回50分の授業を担当し栄養教育を実施した。 5月に実施した食習慣調査結果は12月の栄養教育時に返却し、結果についての解説と指導を行った。 また、保護者への栄養教育の一環として、久米島町主催の形式で島民を対象とした「健康講演会」を12月に実施した。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は介入校、非介入校(対照校)両校の生徒に、食習慣調査の実施(5月~6月)及び28年度の「子ども健診」データを解析し、栄養教育の効果判定を行う。 今年度は、身体状況(主に肥満との関連・血液脂肪酸組成)と食生活(栄養素摂取状況)との関連について解析を進め、実施した4回の栄養教育の効果について検討を行う。 8月末に一部解析結果について報告会を実施予定(教育委員会・校長会・福祉課・養護教諭委員会など関連部署が参加予定。日程調整済み)である。
また、栄養に関する知識修得の平等性を諮るため、前年度の非介入校(対照校)に栄養教育を実施する。(平成28年7月、9月、12月、平成29年3月実施予定。日程調整済み)
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は、「子ども健診(健康調査)」実施時期と食習慣調査の時期を連動させたため、調査解析にかかる費用(人件費・謝金等)が一部繰越となった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度は健康調査及び食習慣調査のデータ解析と、前年度非介入校への栄養教育(4回)の実施と調査結果概要の報告会の実施を予定している。そのための交通費及びデータ解析作業等に伴う人件費、謝金、資料作成費などの経費として使用予定である。
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