朝食欠食は栄養バランスの偏り、学業成績の低下、肥満及び生活習慣病との関連が指摘されている。大学生を含む若年成人の朝食欠食者は全年代層の中で最も多いにも関わらず、朝食欠食者低減のための具体的アプローチ法については未だ確立されていない。本研究では、朝食の重要性に関する知識普及等の従来のアプローチ法に対し、よりテーラーメイド化したアプローチ法を提唱するため、朝食欠食者の持つ「朝食摂取に対するモチベーション」に着目し、各モチベーションごとの対象者の特徴を明らかにすることで、より具体的なアプローチ法の確立を目指すことを目的としている。 データ収集は平成28年度までで終了している。総勢2816名(そのうち回答に欠損の無かった2702名)の大学生男女を、朝食摂取者及び朝食欠食者4群(朝食を食べる(今より増やす)気があり自信もある、朝食を食べる気があるが自信がない、朝食を食べる気がないが食べる自信がある、朝食を食べる気も自信もない)に分類し、生活習慣、意識、知識、環境要因の項目について比較を行ったところ、朝食摂取者と比較し、朝食欠食者では共通して喫煙や夜食をする人が多かった。その他、朝食を一人で食べる、運動日数が少ない、食事バランスに関する知識が無い、健康を維持するために必要だと思う朝食回数が少ない、理想の体重に近づける・維持しようと心がけていない、経済的に厳しい等、朝食欠食者がもつモチベーション別に、朝食摂取の妨げとなる要因を明らかにした。本年度は、解析結果について学会発表や学術雑誌へ論文投稿を行った。また、本年度は最終年度であったことから、本研究結果を踏まえ、大学の食生活改善に関する新たな研究テーマの模索及び研究計画の立案を行った。
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