研究実績の概要 |
主として次の4つの成果を得た。 1.昨年度までに, GC/Win程度の数学用ソフトであれば, HTML5 + JavaScriptによるソフト開発という方法によって十分に開発可能であることを, 問題点の明確化・方法論の明確化・その方法論による解決例の提示と実証実践等による検証によって, 明らかにした。 2.さらに, ソフト開発に関しては, GC/html5の機能の改良を行うことによって, ファイルのマージ機能, 背景となる座標系の複数化, 背景画像の読み込み, ボタンへのアイコン利用などを可能にした。これらの改良によって, コンテンツの組織的な開発が容易になるとともに, わかりやすさを改善することができた。 3.OECDのキーコンピテンシーの議論などでは, コンピュータソフトなどを含めた「インターラクティブな利用」の重要性にも注目していることを検討し, 作図ツールなどを使った「インターラクティブな数学的探究」の様相やその授業の中での実践について明らかにした。 4.作図ツールを利用した研究授業を, 愛知教育大学附属名古屋中学校, 岡崎市立葵中学校, 川崎市立玉川中学校, 足立区立第十中学校, 埼玉県立熊谷西高校, 愛知県立豊橋東高校, 愛知県立小坂井高校などで行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
GC/html5に関するHTML5 + JavaScripというソフト開発に関する研究をまとめ, 科学教育研究に投稿し, 受理されたことは, 学会の中で一定の評価を受けることができたといえる。また, その後も組織的なコンテンツ開発等を支援する機能を追加することもできた。 また, インターラクティブな数学的探究を実現するものとして, 具体的な事例を明らかにした論文が, 日本数学教育学会の秋季大会の論文として受理されたことも, 学会での一定の評価を受けたといえる。さらに, 中学校・高等学校にわたって複数の研究授業を実施できたことは, 実践面に関しても蓄積をすることができたといえる。
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