研究課題
本研究では,期間を通じて,タブレット端末を中等教育における物理実験の補助具として利用する,教育的に有用な実験教材・教具を開発し,その有効利用について研究してきた。初年度には電磁気に関する拡張現実教材をタブレット端末で利用できるようにし,その際のセンサモジュールとの接続の無線化を行った。この経験から,センサ部分とタブレット端末との接続にBluetooth通信を用いることが有利であることが分かり,次年度には,Bluetooth通信できるテスターのデータをWindowsタブレット端末で表示できるようなアプリケーションを作成した。タブレット端末に付属しているセンサを用いた教材も開発したが,目的にあった利用ができる教材とすることは難しかった。タブレット端末を用いた教育の有用性を検証するため,初等教育用ではあるが,簡易電気回路実験シミュレータ教材を開発し,試用して評価した。また,電磁気に関する拡張現実教材も試用して評価を行った。これらにより,タブレット端末を利用すると児童・生徒の興味・関心・意欲を引き出すことはできるが,拡張現実の表現であったり,シミュレーションの表現であったり,画面上での表現,また,指導する際の利用場面に十分配慮しなければならないことが分かった。そこで,2年目から最終年度にかけて,反転授業や相互作用型演示実験講義などの新しい教育方法を試み,探究的な実験活動を取り入れることについて研究を進めた。また,最終年度は,特に,テスターではなくセンサモジュールの簡易化のためにBluetooth通信可能なワンチップマイコンを用いたシステムの構築も試みたが,未だ開発途中であり,完成に至っていない。
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学校教育実践学研究
巻: 23 ページ: 19-26
10.15027/42768
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物理教育
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10.20653/pesj.64.2_125
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10.20653/pesj.64.2_130