学生および教員が対話しながら学びを進める授業実践は、日本の理工系大学基礎教育、特に、数学教育では皆無に等しい。その理由は、学習者自ら学ぶような講義運営方式に大学教員が精通しておらず、学生が題材を理解していく過程や問題点に関する経験知が少ないことがあげられる。 この研究では、ラーニングポートフォリオや問題作成レポートを使用した授業デザインにより、学生の学習時間やシラバス参照頻度、学生の成績が向上することを検証した。また、これらの効果を理工系教員に紹介・提案するFD研修プログラムを開発した。さらに、既に経験知の高い教員を念頭に、学生の視点を生かした、学生主体の教員支援プログラムSCOTを構築した。
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