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2015 年度 実施状況報告書

モロッコ産ゴニアタイト化石の分類学的研究と教材開発

研究課題

研究課題/領域番号 26350205
研究機関名古屋芸術大学

研究代表者

東條 文治  名古屋芸術大学, 人間発達学部, 准教授 (50422704)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード初中等教育 / 教材開発 / 理科教育 / 示準化石 / 古生代
研究実績の概要

平成27年度は、前年度の現地調査、および採取した試料を検討し、教材に適した試料と露頭を絞り込んだ。本研究で開発する古生代の示準化石の教材の条件として、地層からの産状の観察ができること、化石試料の同定から地層の時代が特定できること、同定が容易な特徴を持っていること、また中生代のアンモナイトを使った教材とサイズが似ていて、合わせた授業展開が可能なことを設定している。古生代のアンモナイト亜綱の化石であるゴニアタイト目は三つの亜目に分けられるが、このうちクリメニア亜目はデボン紀の地層に産出が限られるため、示準化石の教材として向いている。また前年度に調査した複数の露頭の中から、デボン紀の地層で層理が発達し、化石の産状の観察にも適した露頭を発見し、クリメニア亜目の化石を多数産出することを確認した。化石試料のサイズも数㎝程度の大きさで、中生代のアンモナイトを使った教材に近い。平成27年度はこの露頭についてより詳細な調査および化石試料の採取を行った。さらに本年度の調査によって、デボン紀の地層でクリメニア亜目の化石を多産する露頭を別に発見した。この露頭も教材化に適した露頭であるとともに、昨年度絞り込んだ露頭と対比が可能であると考えている。採取した化石試料から教材に向いたものを絞り込み、教材の開発を行っている。また現地調査の様子や露頭、化石の産状についての画像について整理を行った。視聴覚教材や化石試料、図鑑、レンジチャートなど教材開発を進めた。またモロッコ、マラケシュにある大学(Cadi Ayyad University)のKhadija El Hariri 氏と会い現地での化石調査について協力をいただけることになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでの現地調査によって、教材として適した露頭、化石試料を絞り込み教材の製作に着手することができた。本研究で開発する古生代の示準化石の教材の条件として、地層からの産状の観察ができること、化石試料の同定から地層の時代が特定できること、同定が容易な特徴を持っていること、また中生代のアンモナイトを使った教材とサイズが似ていて、合わせた授業展開が可能なことを設定している。調査によって、これらの条件に合う露頭、化石試料が見つかり、これを使うと、クリメニア亜目の化石同定によって地層の形成時代をデボン紀と特定する、示準化石の教材の製作が可能である。この方針に沿って、予定通り現地調査の様子や露頭、化石の産状についての画像について整理を行うとともに、視聴覚教材や化石試料、図鑑、レンジチャートなど教材開発を進めている。またモロッコ、マラケシュにある大学(Cadi Ayyad University)のKhadija El Hariri 氏と、現地調査を進める中で知り合い、現地での化石調査について協力をいただけることになったことは、当初予定していなかった大きな成果である。

今後の研究の推進方策

平成28年度は、研究実施計画にあるとおり、これまでの製作を進めてきた教材を用いて実践授業を行い、問題点などについて修正確認を行い最終的な教材セットの完成を目指す。これまでに絞り込んだ化石試料について、教材として標本セットを作成し、露頭・化石の産状についての視聴覚教材、図鑑、レンジチャートなどの完成させて実践授業を展開していく。また複数の自然史博物館の協力も得て、博物館でのワークショップの実践として活用し、古生代の学習の導入としして幅広い活用について検討を行う。また、これまでに絞り込まれた2つの露頭について、化石の産状についての研究、および層準による化石種の構成の変化についても、Cadi Ayyad UniversityのKhadija El Hariri 氏の協力なども得ながら、現地調査を行う予定である。これらの成果も教材に反映させることができるように、教材製作および教材を使った授業展開について幅広い検討を行っていきたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] 課題解決型授業の実践のためのモロッコ産ゴニアタイト化石産地について2016

    • 著者名/発表者名
      東條文治・安井謙介
    • 雑誌名

      名古屋芸術大学研究紀要

      巻: 37 ページ: 241-249

    • 謝辞記載あり

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公開日: 2017-01-06  

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