研究課題/領域番号 |
26350206
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研究機関 | 大阪薬科大学 |
研究代表者 |
スミス 朋子 大阪薬科大学, 薬学部, 准教授 (50402988)
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研究分担者 |
野口 ジュディー津多江 神戸学院大学, グローバル・コミュニケーション学部, 教授 (30351787)
天ヶ瀬 葉子 同志社女子大学, 薬学部, 助教 (90550822)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ESP / 専門語彙教育 |
研究実績の概要 |
本研究では、専門英語教育 (ESP) において、薬学系の大学生に指導すべき専門用語を収集・精査し、①専門用語、②半専門用語、③一般専門用語の三種に分類した語彙教材を開発する。さらに、授業モデルを設計し、実際に授業で実践することにより教材の効果の検証を行うことを目的とする。初年度である平成26年度は、教材作成のための準備を行った。まず、予備調査として、大阪府内の薬科大学の薬学系の教員8名に、薬学系の専門英語教育 (ESP)として、どのような種類の単語を指導するべきかインタヴュー形式で答えてもらった。また、Affix(接頭辞・接尾辞)を330リストアップし、それらをまとめてデータベース化した。当初の研究計画では例文作成は次年度(平成27年度)に実施する予定であったが、この作業を先に進めて560の単文を収集・整理した。三種のうち③一般専門用語として約400の単語をデータベース化した。これらに加えて、薬科大学で学ぶ大学生を調査対象とした専門用語の理解度調査に関しても分析を進めた。さらに、Affixを利用した教材を研究分担者の担当する授業等で試験的に利用を試みた。その中で、学習者に図示させる活動を導入したが、視覚教材の必要性が明らかになり、この点に関しては今後の検討課題となった。また、平成27年度3月下旬よりイギリスにおいて大学薬学部や調剤薬局を対象とした調査旅行を実施した。これらの研究成果の一部は、2015年大阪薬科大学紀要に研究論文として発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成26年8月に予定していたイギリス視察が、諸事情で平成27年3月末から4月初旬に延期したためである。調査で収集した情報は現在分析中である。この部分の資料収集が遅れたため、語彙の難易度とコロケーション、また、一般にも通用するような専門用語の言い換え表現のデータベース化には取り組めなかった。それ以外の教材開発の部分はおおむね順調に進展している。Affix(接頭辞・接尾辞)、一般専門用語のデータベース化はほぼ完了しており、Affix の例文作成もまとまってきた。学生を対象として専門用語の理解度調査に関しても分析を進め、研究成果の一部は、2015年3月発行大阪薬科大学紀要Vol.9で発表した。
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今後の研究の推進方策 |
Affixに関しては、例文作成もかなり進んでいるが、学習者が学びやすいように、可能な限り一般専門用語も含めた例文を作成する予定である。教材の利用を試みた結果、視覚資料の作成が課題となったため、今後は単語の訳だけでは難しい語句などは絵や写真などの資料も準備する。なお、イラスト作成は市販のソフトでは不十分なため、一部の作成は業者に委託する。また、教材の音声ファイルの作成に関して、イギリス英語とアメリカ英語で発音が異なる単語はどちらも音声ファイルを作成する。研究分担者はアメリカ英語の母語話者であるので、単独でも音声ファイルの作成は可能であるが、数名の母語話者で教材を作る方がより教育効果が高いと考えられるので、謝金を払って録音する。
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次年度使用額が生じた理由 |
ヨーロッパ視察・調査旅行が平成27年3月末から4月初旬に延期となり、それに必要な経費(謝金等)の金額が年度末までに定まらなかったため、次年度使用として繰り越した。
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次年度使用額の使用計画 |
視察・調査旅行は、既に終了したので、必要となった謝金を支払い、データ分析のための統計ソフト(SPSS)の購入にも充てる。また、今年度は教材作成のためのイラストや音声ファイル製作およびデータ入力用の謝金、学会発表の旅費等(薬学会136年会・於:横浜)に使用する予定である。
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