平成26 年度は、幅広い世代の女性技術者を対象としたキャリア観、および、キャリア構築過程、直面している問題の聞き取り調査を実施した。特に、企業に対して、そのキャリア観と女性技術者育成における課題を調査し、企業と個人のキャリア観、キャリア・プランニングのギャップについても明らかした。 平成27 年度以降は、広義のキャリアと統合的ライフ・プランニングの学習機会の設計と検証、個人と組織の双方に有効な統合的キャリア構築のための協働的学習の場の設計を目指した。平成27 年度は、前年度に明らかとなった、個人と企業のキャリアとライフ・プランニングの考え方をより統合的にする目的で、企業の方にその必要性を説明しつつ、女性技術者に統合的なライフ・プランニングについての学習の機会を繰り返し、継続的に提供し、その学習の結果、女性技術者のキャリアの概念と統合的なライフ・プランニングをどのように活用したか、仕事ー家庭問題がどのように変容したかを調査した。 平成28年度は、2年間で得た知識をカテゴライズし、個人と組織の双方に有効な統合的キャリア構築のための協働的学習の場づくりにつなげるために必要な環境整備を実施した。従来の対面型のワークショップや講演会、ラウンドテーブルといったフィジカル空間でのキャリアを見つめる環境と、サイバー空間であるネット上での学習環境とを融合させた統合的なキャリア開発支援プラットフォームを作成した。現在、モニター調査を行い、最終調整段階に入っている。これにより、継続的で統合的なキャリア開発、キャリア支援が可能となり、キャリア発達プロセスのメカニズムを踏まえた支援、発達を支える場としてのプラットフォームの原形を完成させた。
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