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2014 年度 実施状況報告書

機械系学習者のための運動・振動学習用教材の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26350217
研究機関広島商船高等専門学校

研究代表者

瀧口 三千弘  広島商船高等専門学校, 商船学科, 教授 (10163346)

研究分担者 藤原 滋泰  広島商船高等専門学校, 一般教科, 准教授 (20390495)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード学習用教材 / 機械系 / 物理 / ソフトウエア / 実験装置 / 運動 / 振動 / 運動方程式
研究実績の概要

本研究は、主として機械系学習者を対象にした動力学問題(運動と振動)学習用教材の開発を目的としている。具体的には、①物理等における力学問題(等(角)速度運動と等(角)加速度運動)を公式を一切使わずに解くための教材開発、②運動方程式を数値計算により解き、解析結果をグラフィック出力するという一連の作業を支援するためのソフトウェア(教育用運動シミュレーションシステム(DSS):研究代表者が開発)への新しい機能の追加、③運動や振動現象(とりわけ共振と振動モードに注目)の観察を目的とした各種実験装置の開発を行うことである。
平成26年度の研究成果は、次の2点である。
1.物理等の力学における「等(角)速度運動」と「等(角)加速度運動」の問題を整理し、これらの問題の全てを「(角)変位-(角)速度-(角)加速度」の関係を利用して公式を一切使わずに図式解法により解いた。図式解法の簡単なルールとして、傾きを求めた箇所には「⊿」を付け、面積を求めた箇所には「○」を付けることとしたが、「(角)変位-(角)速度-(角)加速度」がそれぞれ微分(傾き)と積分(面積)の関係にあることがよくわかるものとなった。このように、図式解法は問題を解くことの簡便さに加え、問題の意味(現象など)が一目でわかり、力学の基礎基本を理解する上でも非常に有効な解法である。
2.現有のDSSに組み込まれているテーマの中から、自動車の振動(バウンシングとピッチングに注目)と凹形の剛体と円柱からなる振動、いずれも直線と回転の連成振動に関する実験装置を製作した。本実験装置を用いて、それぞれ1次と2次の共振と振動モードの観察ができた。今回の教材開発のポイントは、振動体をパッケージ化(薄型・軽量で、保管・持運びが容易)したことである。加振は、研究代表者らがこれまでに開発した汎用加振台(1.5 Hz~18.5Hzの範囲で使用)を用いて行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は、平成26年度の研究実績でも述べたように、主として機械系学習者を対象にした動力学問題(運動と振動)学習用教材の開発を目的としている。具体的には、①物理等における力学問題(等(角)速度運動と等(角)加速度運動)を公式を一切使わずに解くための教材開発、②運動方程式を数値計算により解き、解析結果をグラフィック出力するという一連の作業を支援するためのソフトウェア(教育用運動シミュレーションシステム(DSS):研究代表者が開発)への新しい機能の追加、③運動や振動現象(とりわけ共振と振動モードに注目)の観察を目的とした各種実験装置の開発を行うことである。
平成26年度は、上記の①と③について行った。それぞれの達成度は次のとおりである。
①物理等における力学問題の教材開発:当初の計画通り、物理等の力学における「等(角)速度運動」と「等(角)加速度運動」の問題を整理し、これらの問題の全てを「(角)変位-(角)速度-(角)加速度」の関係を利用して公式を一切使わずに図式解法により解いた。
③運動や振動実験装置の開発:当初の計画通り、自動車の振動(バウンシングとピッチングに注目)と凹形の剛体と円柱からなる振動、いずれも直線と回転の連成振動に関する実験装置を開発した。
以上のことから、本研究はおおむね順調に進展していると判断する。

今後の研究の推進方策

本研究は、平成26年度の研究実績でも述べたように、主として機械系学習者を対象にした動力学問題(運動と振動)学習用教材の開発を目的としている。具体的には、①物理等における力学問題(等(角)速度運動と等(角)加速度運動)を公式を一切使わずに解くための教材開発、②運動方程式を数値計算により解き、解析結果をグラフィック出力するという一連の作業を支援するためのソフトウェア(教育用運動シミュレーションシステム(DSS):研究代表者が開発)への新しい機能の追加、③運動や振動現象(とりわけ共振と振動モードに注目)の観察を目的とした各種実験装置の開発を行うことである。
上述の3つの研究目的に対して、今後の研究は次のように推進する。
①物理等における力学問題の教材開発:平成27年度は、開発された図式解法教材の電子書籍化を行う。ただし、公表に関しては力学問題の著作権のこと等もあり、図式解法に用いた問題の出版社への確認を必ず行う。
②DSSへの新機能の追加:平成27年度中に、運動や振動の実験装置を用いて得られた共振現象の観察結果(動画)をDSS上で見ることができるようにプログラムの改良を行う。シミュレーションと併せて実際の動きを動画でも見れるようにするというものであり、「MOVIE」と名付ける。平成28年度は、平成27年度に開発された「MOVIE」を用いて、それまでに開発済みの実験装置を用いた運動や振動の画像をDSSに組み込む。
③運動や振動実験装置の開発:平成26年度に引き続き平成27年度は、現有のDSSに組み込まれているテーマの中から、ぶらんこの運動(係数励振という特殊な振動、2自由度問題)と、ねじり振動(専門的な問題、3自由度問題)に関する実験装置を開発する。平成28年度はクレーンの旋回運動(運動方程式が複雑な問題、2自由度問題)に関する実験装置を開発する。

次年度使用額が生じた理由

学会発表を計画通り2回行ったが、いづれも県内での発表となり、旅費が計画よりも安価にできたため、残額として発生した。

次年度使用額の使用計画

当初の計画に加え、雑誌投稿か学会発表を実施したい。そのための投稿料か旅費に使用する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (3件) (うち謝辞記載あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 振動現象学習用教材の開発 ─垂直方向用加振台を用いた自動車モデルの振動─2015

    • 著者名/発表者名
      瀧口三千弘、藤原滋泰、藤野俊和
    • 雑誌名

      広島商船高等専門学校紀要

      巻: 37 ページ: 31-37

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 振動現象学習用教材の開発 ─凹形剛体と円柱からなる振動モデル─2015

    • 著者名/発表者名
      瀧口三千弘、藤原滋泰、藤野俊和
    • 雑誌名

      広島商船高等専門学校紀要

      巻: 37 ページ: 39-44

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 等速度運動と等加速度運動問題の図式解法2015

    • 著者名/発表者名
      瀧口三千弘、藤原滋泰
    • 雑誌名

      広島商船高等専門学校紀要

      巻: 37 ページ: 45-51

    • 謝辞記載あり
  • [学会発表] 物理の学習到達度試験のためのインタラクティブな電子書籍の開発2014

    • 著者名/発表者名
      梶井一志、藤原滋泰、瀧口三千弘
    • 学会等名
      第16回IEEE広島支部学生シンポジウム
    • 発表場所
      広島市立大学
    • 年月日
      2014-11-15 – 2014-11-16
  • [学会発表] 等速度運動と等加速度運動の問題を公式を一切使わずに解くための教材開発2014

    • 著者名/発表者名
      瀧口三千弘、藤原滋泰
    • 学会等名
      平成26年度工学教育研究講演会
    • 発表場所
      広島大学
    • 年月日
      2014-08-28 – 2014-08-30

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公開日: 2016-05-27  

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