研究課題/領域番号 |
26350223
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研究機関 | 宮城教育大学 |
研究代表者 |
齊藤 千映美 宮城教育大学, 環境教育実践研究センター, 教授 (20312689)
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研究分担者 |
渡邊 孝男 東北文教大学, 人間科学部, 教授 (20004608)
鵜川 義弘 宮城教育大学, 環境教育実践研究センター, 教授 (20232803)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 動物飼育活動 |
研究実績の概要 |
本事業では、大学教材園で飼育する動物を活用したプログラムを開発し、学校現場等における活用の方法を検討している。平成26年度は、飼育施設の整備を行った。ヤギ小屋にライブカメラを設置し、ルーターを介してウェブ上で映像を配信、小学校における授業で活用する試みを行った。映像を活用した授業プログラムは、校外学習の事前学習に貢献することがわかった。しかし、教室授業の後と実際の体験型学習の後とでは、子どもの気付きには大きな差が見られ、生きた教材から得られる情報の重要さが改めて浮き彫りになった。 また本事業では、学校の動物飼育環境を改善し、教員間の経験共有のためのネットワーキングを図っているが、宮城県では動物飼育は衰退の一途をたどっている。そこで、動物飼育に対する社会の関わりを深めることを目的に、まちづくり事業の一環として、2014年5月~11月まで、月に1度、仙台市内の公園にヤギの展示を行い、市民対象のふれあい学習を実施した。展示は教員養成課程の学生が実施した。飼育動物を介して地域の人々と交流を深められたことを好意的に評価する学生が多かった。ふれあい学習に参加した市民からは、子どもが自然に関わる機会が少ない現状への疑問の声が多く聞かれ、また昭和期にヤギを自宅で飼育していた市民にとっては地域の過去を思い起こさせる教材となっていた。 これらの活動の成果も用いて、飼育動物を活用した教育を実践する教員間の情報交換・教員を対象とする講習会を行った。また、教員養成課程の学生を対象として、ふれあい学習の実践を含む動物飼育活動実施マニュアルを作成して、学部授業でこれを用いて授業を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
教材園の整備としては、衛生状態を良好に保つための排水設備の補修を行った。ライブカメラをヤギ小屋に設置し、ウェブ上でヤギ小屋の動画を確認できるようになり、この設備を用いた授業案を作成して実際に小学校で授業を行った。 「ヤギ飼育マニュアル」を作成し、学生が自主的な調べ学習をしながら動物飼育について学び、ふれあい学習の実践までできるように授業の中で指導を行った。また、成果を活用して教員を対象とする動物飼育活動に関する講習会を実施した。 ヤギに関わる人々のネットワークである「ヤギネットワーク」において情報交換を行い、また地域社会の関心を高める目的で5月~11月まで、市民を対象とするヤギふれあい学習を実施し、動物とのふれあいが、対象者や実施者にどのような効果を与えるかを分析した。
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今後の研究の推進方策 |
1)健康で人馴れした動物の飼育交配を継続する。 2)ビデオ映像の配信や、動物の出前を活用して行う授業プログラムの指導案の作成を行う。 3)指導案および、授業に使える教材類を公開する。 4)教員研修のプログラムを作成し、実施する。 5)長野県における資料収集を行う。県内外の関係者とネットワークを構築し、ICTを活用して情報交換を行うしくみを構築する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究目的を達成するために必要な動物の飼育管理補助を、他の資金で雇用し実施することが可能になったため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度・28年度に飼育管理補助者を雇用することにより、飼育施設を活用した教材の試行実践と開発が可能になる。
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