家畜動物(ヤギ、ウサギ、ウコッケイ)の飼育管理を行う学校教材園を、生命理解教育の教材として学校に公開した。 (1)子どもの発達段階に応じて、ふれあい学習、動物のからだの仕組みの学習、食育、ESDのそれぞれの観点から、動物を活用して体験型で実施できるプログラムを開発し、プログラム集として外部に公開した。2018年度には公開したプログラムを活用する教育実践活動を6回、教員研修を1回、実施した。 (2)小学校の学習指導要領における動物の飼育学習の意義を分析し、生命理解を目的とする学習活動として、継続的な飼育活動がたらしうる意義を考察した。継続的な飼育活動は生命の特性である連続性・多様性・相互依存性や、生物と自分自身の生命との関わりを総合的に学ぶ上で、他の学習活動では実現することの困難な意義を持つと考えられた。 (3)その一方で学校教員に対するアンケートからは、学校現場における生物飼育活動、とくに動物飼育活動にはさまざまな課題があること、学校現場の都合に合わせた飼育動物の選択が行われている事から、本来動物飼育活動によって得られる学習成果を得る事が難しいこともわかった。様々な課題を解決するため、ICTを活用した教材の提供や情報交換ネットワークにより、学校現場の教員による効率的な情報の活用を可能にし、また教材園の多様な利用の手法を確立した。 (4)生きものとのふれあいを通じた地域活性化活動のモデルとして学生が実施する月1回のふれあい活動を行い、成果を自治体(登米市、仙台市)対象の講演会で普及した。 (5)2017年には「みやぎヤギネットワーク」を設立し、動物飼育に関わる情報交換や動物個体の交換を可能にした。今後は同ネットワークを通じて、広域の学校への動物やふれあいプログラムの提供を実施していきたい。
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