研究課題/領域番号 |
26350231
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
伊藤 武廣 信州大学, 教育学部, 名誉教授 (00015827)
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研究分担者 |
茅野 公穗 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (20400658)
松澤 泰道 信州大学, 学術研究院教育学系, 助教 (60645620)
昆 万佑子 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (70507186)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 数学的に考える力 / 教員養成 |
研究実績の概要 |
本年度は,「数学的に考える力」に焦点をあてた教員養成プログラムの開発に関して,以下の2点について成果を得た。 ●課題探究型の学びを通して「数学的に考える力」を獲得するための教員養成プログラムで意図する内容と活動の特定 『特定の課題に関する調査』において提唱された「数学的に考える力」を中核に,PISA調査での「数学的リテラシー」なども参照し,知識内容や技能の吟味に加え,これら知識や技能の獲得の仕方も吟味した。これらの結果に基づき,「数学的に考える力」の概念規定を行うともに,課題探究型の学びを通して「数学的に考える力」を獲得するための教員養成プログラムで意図する内容と活動を,具体的ないくつかの場面で吟味した。 ●教材やその配列,指導方略,評価方法の考案(試作) 大学での必修授業科目において課題探究型の授業を実現するために,例えば,ルート2のルート2乗のルート2乗…の極限値からはじまり,xのx乗のx乗…が収束するようなxの範囲を求める問題へと発展する探究活動を考案し,大学初年次生がグループで協働しながら問題解決する活動を取り入れた。結果については,分析中である。この他にもに課題探究型の授業を実現するための教材について,とりあげる具体的な問題や大まかな構想を含め検討した。これらの教材群等は,実例としての価値を有するだけでなく,教員養成プログラムを開発するための原理・原則を吟味するためにも研究上重要な役割を担っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画当初に予定した教員養成プログラムを開発するための原理・原則の設定については,まだ十分な成果が得られていないものの,大学での必修授業科目のいくつかの場面における教材やその配列,指導方略,評価方法が試作されるとともに,その結果の分析が進行中であるため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,教材やその配列,指導方略,評価方法の考案を行う。また,教員免許状必修授業科目において,これらの開発したプログラムを実施し,ビデオ記録や記述物の複写等によるデータ収集,これらデータの質的な分析を通して,意図した活動を実現するためのプログラムの改善点を特定する。さらに,教員養成プログラムを開発するための原理・原則を,実施結果の分析を踏まえて適宜修正を加え,設定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際学会への参加を通しての研究情報の収集が,校務との日程があわず断念したため,当該助成金が生じることとなった。
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次年度使用額の使用計画 |
課題探究型の授業についての情報収集を充実するために,国内学会への参加旅費に使用する。その際,授業を実施していただく研究協力者の教諭を含めて,対面による意見交換・情報収集を行う予定である。
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