研究課題
H28年度は最終年度として、研究目的である「マイクロスケール実験による理科実験の個別化と言語能力の育成」に向けて、教材開発、授業実践、学会発表、論文その他の執筆、公表を継続的に行った。理科実験の個別化を可能にする教材の開発を主に行った。言語能力の育成に教材がどの程度の貢献できるかの判定方法についても、学校現場の意見をふまえ、さらに検討を重ねることが目標であったが、試みとして実験前後のアンケート調査について、特に小学校・中学校を対象に、概念の変容調査と設問に工夫を行った。前年度からの呈色板によるマイクロスケール実験の教材開発については、学校現場への普及を目的としたテーマであり、この教材実験を用いた授業実践を実施した。研究成果については、理科教育学会での発表、理科教育学研究にて公表した。また呈色板を用いた電気分解実験についても積極的に実践活動を行い、同学会での発表を経て、その後、科学教育研究に掲載(2017年6月予定)が決定した。また、高校化学の有機化学分野を対象にしたマイクロスケール実験の教材開発と授業実践にも取り組んだ。有機化学分野の実験では、有機溶剤の使用や加熱により、従来のプラスチック製の器具の使用が難しいため様々な工夫を行いながら、器具の見直し、安全で確実な操作に重点をおいて研究を進めた。例として、「アゾ染料合成のマイクロスケール実験」をテーマとして理科教育学会で発表を行った。マイクロスケール実験の紹介記事を執筆した(少年写真新聞社、啓林館等)。理科教員養成の立場から、理科指導法等の大学授業で用いるテキスト(電気書院発行)を執筆(2017年6月発刊予定)。同書には10件のマイクロスケール実験を含む授業案を掲載している。開発した教材実験は高校理科5件、中学校理科2件、小学校理科1件で、授業実践は3件、著書1件、学会発表5件、論文および解説文の公表4件である。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (5件) 図書 (1件)
科学教育研究
巻: Vol.41 No.2 ページ: 未定
unpublished
理科教育学研究
巻: Vol.57,No.2 ページ: 123-124
10.11639/sjst.16036