本研究は、大学生の日本語レポート執筆能力向上に貢献するルーブリック開発を目的として行われた。調査の結果、ルーブリックに次の機能があることが判明した。(1)執筆者にレポートを客観的に評価する視点を提供する。(2)体裁への配慮、文体の修正、情報の補足・充実、文章構成への意識づけを促す。つまり、ルーブリック導入が執筆能力向上に貢献できることを証明できた。一方で、「ローカライズされたルーブリックに不満を持つ大学生が出現する」などの限界も明らかになった。ここから、レポート執筆能力向上のためには、学習者にルーブリック構築の主体的な役割を担わせ「学習としての評価」を実践することが重要との結論が得られた。
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