研究課題/領域番号 |
26350252
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研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
佐野 彰 九州産業大学, 芸術学部, 教授 (00352104)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | プロジェクション / プロジェクションマッピング / GIS / 地理情報システム |
研究実績の概要 |
これまでの研究で、屋外の立体物に映像を投影する事の問題点(距離が遠くなるため光量の不足が否めない、視点位置が変化することによる映像重ね合わせの不具合、スクリーンが風によって大きく影響を受けること)がわかった。今年度はそれらの問題を補うための案として、立体模型を併用する方向性を検討した。 本年度制作した試作品は、A1サイズで制作した立体地図に地図映像をプロジェクションしたものである。5mごとの等高線をスチレンボードに転写し、カッターで切り抜いて重ねていくという従来の方法で制作した。プロジェクタは超短焦点プロジェクタを用いて、複数人で鑑賞できるようにした。 実際に制作し、実験を行った結果、近距離(1m)からの映像投影の場合、遠距離からの投影と比較すると、十分な光量を確保することができた。さらに展示そのものをコンパクトにまとめることができ、通常の部屋や空間などで展示可能なものができた。しかし、投影面の立体が凸凹がある場合、影が多く生じ、投影面の面積が減少する問題があることがわかった。具体的には、投影面に立体的に高い部分(山頂など)がある場合、プロジェクタの光源との距離が近いと、その周辺に影が生じ、映像が提示できなくなってしまうのである。 また、古典的な手法で立体地図を作成したが、制作は手作業になるため、最低でも数週間の時限を要してしまった。本来の課題目標では「汎用性」を設定していたため、全国の様々なところで用いるためには、手間を軽減しなくてはいけないだろう。 立体物の高低差と、プロジェクタとの投影距離の最適なバランス、および投影以外の方法(ARやMR等)も検討し、最終年度の研究に臨む。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
所属学部の学部再編にともなう業務が想像を超えて多忙だったため、想定された範囲まで研究を進めることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
これまで構想を練っていた試作品を5月末までに制作する。また「投影(プロジェクション)」という方法で進めるだけでなく、MR(ミクスト・リアリティ)を活用した方法も、平行して研究を行う。後者の方法は大掛かりな装置が必要ではなくなるため、本来の目的である「野外での使用」を達成するために大きな助力となることが予想される。
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次年度使用額が生じた理由 |
所属学部の再編に伴う本務業務が多忙だったため、十分な研究を行うことができなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
当初の目的であった、展示ユニットの開発を行う。
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