研究課題/領域番号 |
26350253
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研究機関 | 一関工業高等専門学校 |
研究代表者 |
白井 仁人 一関工業高等専門学校, 教授 (00310996)
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研究分担者 |
福村 卓也 一関工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (50360326)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 科学教育システム開発 / 体験型科学教育 / 科学教育コミュニケーション |
研究実績の概要 |
平成26年度は当初の計画通り、実験装置の開発と教育実践・アンケート調査を中心に研究を進めた。ただし、実験装置の開発が順調であったため、当初の計画であったシリーズA「エネルギーとはなにか」とシリーズD「数に隠れた法則」の実験装置の開発だけでなく、シリーズB:「光とはなにか」についても実験装置を開発した。他方、サイエンス・コミュニケーションを重視した体験型科学教育の実践(「マイクロ科学館」の実施)については当初予定していた2回ではなく1回の実施とした。理由は、想定した以上に広い場所が必要となり、開催日・場所の確保・人員の確保の3点がうまく都合つくようにできなかったためである。実際に行った「マイクロ科学館」という体験型科学教育の結果は以下の通りである。 平成26年8月30日, 31日(10:00~12:00, 13:00~16:00)の2日間にわたり、「マイクロ科学館」を実施した。参加人数は88人におよび、この時点で大きな成功だったといえる。計画書の通り、アンケート調査も実施した。その結果、多くの参加者が 「講演会」のように一方通行で話をされる形の科学教育よりも面白いと感じ、また、「科学実験教室」のように制作中心の科学教育よりも面白いと感じた。さらに、「その方法がもっとも内容を深く理解できる」と参加者が答えた割合は、マイクロ科学館:実験教室:講演会=32:21:8であった。つまり、ほかのどの科学教育よりも理解度が高くなることがわかった。このほかにもいくつか面白い結果が得られたが詳細は省略する。現在、アンケート結果をさらに詳しく分析中である。 平成27年度は、装置開発、教育実践、アンケート調査を行うとともに、それらに加え、論文発表・学会発表を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
計画は全体として、当初の計画以上に進展している。とくに、実験装置の開発については、当初、シリーズA(装置3つ)とシリーズB(装置2つ)のみを開発する予定であったが、シリーズD(装置6つ)を制作することができた。このように、計画はとても順調に進んでいるといえる。学会発表と論文投稿については、教育プログラムの実施時期とその後のアンケート調査の結果分析を行う時期が遅かったために、主に7~9月に実施される教育関係の学会での発表に間に合わなかったが、それらについては当初の計画通り、平成27年度より実施していく。平成27年度は、各実験シリーズの装置の質、量ともに向上させていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、徐々に実験シリーズを増加させ、また、各シリーズを質的、量的に完成させていく。そして、科学実践を増やしてアンケート調査結果を詳しく解析し、教育効果の分析に用いる予定である。 また、各シリーズごとの違いにも注目していきたい。この点は、H26年度に実施するまで気が付いていなかったため、計画書で述べていなかった点であるが、シリーズごとに科学コミュニケーションの取り方に大きな違いが出るようである。つまり、シリーズごとでのアンケート結果の差を調べることで、どのような科学コミュニケーションが有効かという点を明らかにできる可能性がある。今後はこの点にも注目していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度は、科学コミュニケーションを重視した体験型科学教育「マイクロ科学館」2回実施する計画を立てていたが、場所確保日時等の都合がつかなかったため1回に減らし、その代わりに実験装置開発に力を入れて、当初計画よりも1シリーズ分多く実験装置を開発した。そのため、人件費が計画より安く抑えられ、物品購入費はやや高くなった。そして、できるだけ遅い時期まで実験装置開発を続けて物品購入をしたが、結果として人件費減と物品費増の差額、約5万9千円が次年度に繰り越されることとなった。
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次年度使用額の使用計画 |
繰り越された5万9千円は平成27年度の人件費または物品費として使用する予定である。具体的には、シリーズ熱の実験装置開発の物品費に充てる予定である。
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備考 |
学会発表と論文投稿については、教育プログラムの実施時期とその後のアンケート調査の結果分析を行う時期が遅かったために、主に7~9月に実施される教育関係の学会での発表に間に合わなかったが、それらについては当初の計画通り、平成27年度より実施していく予定である。ウェブページ等はそれら発表のあと作成する予定である。
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