研究課題/領域番号 |
26350253
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研究機関 | 一関工業高等専門学校 |
研究代表者 |
白井 仁人 一関工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (00310996)
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研究分担者 |
福村 卓也 一関工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (50360326)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 科学教育システム開発 / 体験型科学教育 / 科学教育コミュニケーション |
研究実績の概要 |
平成27年度も当初の計画通り、実験装置の開発と教育実践・アンケート調査を中心に研究を進めた。装置開発の面では、シリーズA:エネルギーとは何か、シリーズB:光とは何か、シリーズD:数に隠れた法則までを完成し、シリーズC:熱とは何かを作成中である。また、サイエンス・コミュニケーションを重視した体験型科学教育の実践という面では、当初の予定通り2回実施し、合計300名以上(1回目80名以上、2回目250名以上)という予想以上の参加者数となり、大成功であった。 実際に行った日程は、平成27年8月22-23日と平成27年10月31日・11月1日であった。予定通りアンケート調査も行い、通常の科学教室や科学講演会よりも面白くわかりやすいという回答もいただいた。「何度も繰り返し来たくなります」という期待通りの反応も得られ、通常の科学教室や科学講演会とは異なる成果があげられていることを確認できた。現在、分析結果を論文としてまとめる作業を行っており、各シリーズの面白さやわかりやすさの比較、また、通常の科学講演会との比較などの結果を示している。まだ、すでに論文は共著者によるチェックの段階にあり、近々、投稿の予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画は全体としておおむね順調に推移している。ただし、多少予定より早く進行している部分とやや遅れている部分がある。予定より早く順調に進行しているのは装置開発と教育実践の部分で、装置開発は1年先取りしてすでに「シリーズC:熱とは何か」(当初計画では平成28年度開発予定)の開発に平成27年度中に着手した。また、教育実践の部分では予想以上に参加者に好評を得るまでになった。他方、遅れているのは論文発表である。これは予想以上の参加者数のため、アンケート調査の枚数が非常に多くなったが、計画通り一人の担当者が分析を行っているため、分析結果を出すのに手間取ったためである。この点については、今後、分析にも協力者に協力してもらうことで改善できる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
予定よりもやや早く順調に進行している部分とやや遅れ気味の部分があるが、それらへの研究者の時間配分と協力者の協力時間の配分により、それらを調整することは可能であり、ペースの調整を行いながら当初の計画通りになるよう進めていきたいと考えている。 また、アンケート調査の分析の結果でわかった好評のシリーズとあまり好評でないシリーズの差を考察し、あまり好評でないシリーズの改善を行ってみたいと考えている。これは、当初計画には盛り込んでいなかったが、科学コミュニケーション手法の研究という意味で重要だと思われる。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度の使用額は約63万円であり予定額より3万円超過したが、平成26年度に約6万円の繰越額が発生していたため、平成27年度は約3万円の繰越となった。当初予定の物品は購入できていたので、不要に3万円分の追加購入はせず、次年度へ繰り越して予算を有効利用することとした。
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次年度使用額の使用計画 |
学会発表、論文発表等で必要な経費として利用し、余りそうな場合は装置開発のための物品購入費として利用する予定である。
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備考 |
平成27年度は論文発表等ができなかった。これは上記9-12欄に記述したように参加人数が予想よりかなり多くなり、アンケート調査の実施と分析を独力で行うのに大きな労力を要し、手間取ってしまったためである。論文発表が遅れていることは非常に反省している。ただ、すでに論文はほぼできているので、平成28年度は論文発表、学会発表に力を入れることで、全体として当初計画の予定通りにしていきたいと考えている。
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