研究課題/領域番号 |
26350253
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研究機関 | 一関工業高等専門学校 |
研究代表者 |
白井 仁人 一関工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (00310996)
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研究分担者 |
福村 卓也 一関工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (50360326) [辞退]
谷川 享行 一関工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (30422554)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 科学教育 / 科学教育方法開発 / 科学基礎概念 / 科学館 / 基礎概念理解 |
研究実績の概要 |
(1)マイクロ科学館の実施: 平成29年度も予定通り小中学生向けのマイクロ科学館を実施した。11月4日と5日の2日間に渡り実施し、マイクロ科学館用に開発したさまざまな実験器具を多数の小中学生に試してもらい、科学や技術の楽しさを味わってもらった。そして、大きな目標のひとつであった「科学館のないような非都市部の子供たちに、論理的に深く考察することの面白さを体験的に学んでもらう」ということを実現できた。 (2)論文発表: 論文集「工学教育」に「一関高専における科学教育と長期データ分析」というタイトルの論文が掲載された。 (3)学会発表: 8月21~23日に新潟県長岡市で開催された平成29年度全国高専フォーラムにて「小中学生向け体験型科学教育『マイクロ科学館』の試み」というタイトルで論文発表を行った。新しい形の教育の試みということで非常に好評であった。また、他の科学教育研究者とも交流ができ、非常に有意義な時間を過ごすことができた。特に、他の科学教育方法で成功を収めた研究者との議論を盛んに行えたことは有意義であった。今後は、本研究と他の研究の融合的発展を目指し、研究者との交流を積極的に行っていきたいと考えている。 (4)学会参加: 高専フォーラムを含む科学教育・科学基礎関係の諸学会に出席し、科学教育や科学史、科学の基礎概念およびその教育方法に関する議論ができた。 (5)資料調査: 大学、大学博物館、科学博物館、図書館等に赴き、各種科学教育方法について調査し、また文献調査を行うことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度は、予定通り、シリーズDの「熱」に関する科学教育システムを開発した。これで予定の5シリーズ(A~E)がそろったことになるが、予定以上のこととして、磁場を利用した装置を含め、さまざまな装置を準備した。これは、非都市部(田舎)に住む小中学生に科学の面白さを体験させるための装置であり、磁場で宙に浮かせたりすることで驚きをもって装置を見るとともに、その科学的内容への興味をより強く抱かせるための工夫である。予定通り平成29年度も秋にマイクロ科学館を実施し、これらの装置を小中学生に体験してもらうことができた。そして、その成果を全国高専フォーラムで発表し、参加者と議論した。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は本研究の最終年度となる。これまでの研究開発により、予定していた体験型の科学教育装置(A~Eの5シリーズ)はすべて開発が終了した。実際には、上記のように5シリーズ以上の装置を準備することができた。また、毎年、マイクロ科学館を実施し、好評を得ているが、平成30年度はその集大成として、より多くの小中学生を呼びたいと考えている。 また、平成30年度は新しい研究への展開へ向けた取り組みも行いたいと考えている。つまり、本研究をさらに発展させ、拡大することを考える。そのために、他の科学教育で成功を収めた研究者との交流を盛んに行い、本研究と他の研究の融合的発展を目指した取り組みも行っていきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年(H29年)はマイクロ科学館の実施時期の調整に難航してしまい、結果として、例年、アルバイトとして学生に依頼していたサイエンス・ガイドの役を研究代表者と研究分担者が担当し、マイクロ科学館を実施することとなった。当初予定していたその費用(サイエンス・ガイドへの謝金分)が浮いたため、次年度へ回すこととなった。マイクロ科学館でのサイエンス・ガイドを研究代表者と研究分担者が代行したため、研究代表者と研究分担者の負担は非常に大きくなったが、マイクロ科学館の開催自体には何の問題もなく、本年も大盛況に終わった。マイクロ科学館の本来の目標は、指導を受けながら実験をすることではなく、自分の興味のある実験を自らの手で実行し、失敗などを繰り返しながら体験的に学ぶことである。その目的は十分に果たすことができた。次年度(H30年度)は例年通り本予算を利用してサイエンス・ガイドを配置し、実施する予定である。
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