(1)大学生を対象とした実証授業の実施:大学生を対象に、気温データ・グラフ表示システムと知識マップ・システムを統合した教材を用いて、実証授業を2回実施した。第1回目の授業では、主としてマニュアルの可読性と操作の難易についての検証を行い、第2回目の授業においては、知識マップを用いた発見体験授業プログラムについての受講生の評価を得ることに主眼を置いた。その結果、①受講者にとってシステムの操作は容易なものであり、マニュアルを見て簡単に操作を習得できることが分かった。ただし、②当初用意した習熟用のトレーニングの量が受講生に過重であり、負担を感じさせるため、整理し簡略化する必要があることも分かった。一方、③発見体験に関しては、グラフが容易に作成できること、大量のデータを利用できることなどから、受講生が興味を持てたことが分かった。さらに、④授業後に発表会を開催したところ、そこでの他の受講者の発表に興味が持てたことも分かった。他の学生の持つ、自分と異なった視点が関心を呼んでおり、発表会の重要性も確認できた。 (2)国際会議での発表:上記の実証授業の結果を含めた当研究の内容について、国際会議(IEEE 8th International Conference on Engineering Education)で論文発表を行った。 (3)授業プログラムの改良:上記の実証授業の結果を受けて、授業プログラムの中のシステム操作習熟のためのトレーニングを簡易化し、受講者の負担感を軽減するようにした。 (4)教材システムの改良とデータ更新:実験室内での追検証中、教材システム内で用いられている表示や用語に不適切なもの、分かりにくいものが発見されたので、これらを修正した。さらに、2017年度以降に学習者に関心を持って利用してもらえるよう、最新のデータ(2016年度の気温データ)をシステム内に追加した。
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