研究課題
本研究の目的は、①最新の天文学的をリアルタイムに市民に伝えることで、科学研究の現場を市民とリアルタイムに共有し、②科学研究の手法を市民に理解・普及することを目指すことである。この目的ために、研究者と教育者のネットワークによって③研究者・教育者の協働・協創による新しい科学リテラシー普及の手法を実施した。当初、平成26年度に銀河系中心巨大ブラックホール(Sgr A*)に落ちると予報されていたガス雲G2によって引き起こされるSgrA*周辺での諸現象(SgrA*事象)をターゲットとして、電波観測グループと連携した教育普及の共同企画を想定し、ネットワークの構築を行なった。しかし、期待されたSgrA*事象が起きなかったため、ターゲットを、ブラックホールに関係する諸現象や系外惑星系、重力波など「最新の天文学」に関することに広げることで、「最新天文学のテーマを使った研究者・教育者による協働の天文教育」の実験を実施する形で本研究を軌道修正した。これまで、研究者と教育者の連携を深めるための研究会やワークショップを企画、あるいは、研究会の中に教育セッションを企画するなどを行なってきた。平成29年度は、系外惑星系の科学研究(重力マイクロレンズによる系外惑星探査で18本の査読論文を共著で出版)と同時に、そのアウトイリーチ手法の開発を行なった。また、中性子連星合体による重力波の研究などを含む、シミュレーション天文学の最新の状況を教育関係者と研究者で共有し、どもにアウトリーチ・科学普及をしたら良いかを検討するワークショップを開催した。これらの成果をまとめ、研究者と教育関係者の連携の実験の結果についてまとめた。さらに、これまでのネットワークをさらに広げる試みとして、地域(長野県)の天文学研究者と科学館・プラネタリウムなどの社会教育施設、及び、同好会などを結びつけて、天文学の普及を考えた実験も試みた。
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天文教育
巻: 147 ページ: 5-10
Rikatan(理科の探検)
巻: 28 ページ: 22-23