研究課題/領域番号 |
26350262
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研究機関 | 独立行政法人国立科学博物館 |
研究代表者 |
洞口 俊博 独立行政法人国立科学博物館, 理工学研究部, 研究主幹 (00238768)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 科学教育 / 天文 / 宇宙物理 / 光学赤外線天文学 |
研究実績の概要 |
物理・化学・生物分野の学習内容の理解において、実験は重要な役割を担っているが、天文分野においては、観察・観測がそれに対応する。本科研費では、近年急速な性能の発達を遂げたデジタルカメラを利用して、以前は難しかったさまざまな天体を精度よく観測し学習できるプログラムの開発を目指す。専門的な機材や知識を必要とすることなく、学校教員・生徒や一般市民の誰もが自分自身で観測を行い、宇宙に関する知識を実感として身につけることができる学習プログラムを開発する。 中間年度となる今年度は、当初予定していた太陽系天体プログラム(月、彗星、太陽)に加えて、惑星の動きとガリレオ衛星、恒星・銀河プログラム(変光星、散開星団)に加えて、日周運動、星団星雲の大きさや明るさ分布、系外銀河の傾きなどに関するプログラムの開発を行った。これらについては市民向けのテキストを作成し、単行本で紹介を行った。これらの作業は、連携研究者や研究協力者とともに、電子メールやネットワーク会議システム等を活用しつつ、適宜会合を開いて進められた。年度の終わりには学校教員や天文普及活動を行っている市民を対象としたワークショップを開催し、今後のプログラム開発に向けた検討を行った。また、さまざまなデジタルカメラのRAW画像を同じ方法で読み込み、天体画像データの解析を行っている活動団体、星空公団との連携を確立し、プラットホームソフトの開発やさまざまなカメラの特性の確認方法についても目処をつけることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データ解析を行うプラットホームソフトの開発やさまざまなカメラの特性評価について方針が明確になり、学習プログラムについては当初の計画を大きく上回る本数の開発が進んでいる。それらの実践や評価についても、ワークショップを開催し着実な進展が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
最初に作成した学習プログラムは市民向けを意識して開発を行ったので、最終年度はそれらを学校教員・生徒向けに再構成したものを制作する。あわせてさらに多くの太陽系天体、恒星・銀河に関する学習プログラムについて開発を進める。それらは学校や社会教育施設等で実践を行うとともに、インターネット、講習会、ワークショップを通して普及をはかり、評価を行う。成果については理科教育関連学会や日本天文学会等で発表を行う。最終年度はより一層、研究協力者との連携を密にして開発を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者の日程の都合からワークショップが年度末の開催となり、予定していた集録の発行が年度内にできなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の助成金とあわせてワークショップの集録作成、講習会の配布資料作成等に使用する。
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