研究課題/領域番号 |
26350264
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研究機関 | 滋賀県立琵琶湖博物館 |
研究代表者 |
高橋 啓一 滋賀県立琵琶湖博物館, 副館長 (50139309)
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研究分担者 |
里口 保文 滋賀県立琵琶湖博物館, 研究部, 専門学芸員 (20344343)
山川 千代美(木田千代美) 滋賀県立琵琶湖博物館, 研究部, 総括学芸員 (30344344)
大久保 実香 滋賀県立琵琶湖博物館, 研究部, 学芸員 (50636074)
八尋 克郎 滋賀県立琵琶湖博物館, 研究部, 総括学芸員 (60344339)
林 竜馬 滋賀県立琵琶湖博物館, 研究部, 学芸技師 (60636067)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 住民参加 / 古環境調査 / 持続的文化振興 |
研究実績の概要 |
平成26年度は,4月22日から発掘の準備を始め,26日から5月1日の間,多賀町四手において,科研費メンバー,多賀町立博物館,琵琶湖博物館はしかけグループ,多賀町町内参加者などで発掘調査を行った.その結果,植物化石,貝化石,昆虫化石,脊椎動物化石など多数の化石を得られたほか,地質調査,花粉化石や珪藻化石用の分析試料も採集した.これらの整理や分析は随時,保管してある多賀町立博物館において,はしかけグループを中心にして行った.また,成果の中間的な報告を8月9日に行い,それぞれの成果の共有と今後のことについて議論を行った.その他,多賀町以外の古琵琶湖層群分布地(三重県伊賀市,滋賀県湖南市)などでの野外での地層や化石の学習会,あるいは室内での学習を行いながら市民が調査方法や自然観察手法の技量を上げるように務めた.また,平成26年3月14日~4月16日にかけては,再び多賀町における発掘を行い追加の成果を得た.加えて,発掘期間中には参加者に毎日アンケートを書いてもらい,参加者の意識調査も実施した. この科研費研究では,市民が自らの住む場所の自然や文化に関心を持ち,それらを分析する力を養い,他の人を育てることができるようになることを目的としている.はしかけグループとして参加している市民は,この1年間でさまざまな実践的な学習を繰り返すことで,ある程度の調査を行える力をつけて来ている.また,一部の人達は自主的に野外における化石の観察,発掘で得られた試料の分析などを行い,2月に開催された琵琶湖博物館地学研究発表会において研究発表を行うことができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
市民参加者の一部には,自主的な活動を実施しはじめている人もおり,予想以上に自然観察能力も高くなっている.このような段階は,もう少し後の段階で予定していたことから,計画以上に進展していると評価した.
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は,現在行っている発掘地においてまだ調査し残している部分が残っているために,引き続き同じ場所での古環境調査を継続する.時期的には,秋ごろを予定しており,これに向けての準備を市民とともに行う.また,発掘までの間には,これまで採集した資料の整理や分析を進め,参加している市民が実践的に学習する場を作るとともに,研究調査能力のさらなる向上を目指す.成果がある程度まとまった場合には,中間的な結果を学会や研究会で市民が発表することを目指す.遅くとも,来年度末には,発掘調査報告書を作成する. 組織的には,最初から参加している市民の経験が豊かなになってきたことから,新たな市民参加者も募集し,組織の拡大と技術の伝達についても試みたい.
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次年度使用額が生じた理由 |
26年度の予算はほぼ使用したが,残額がわずかに生じたため,次年度の研究経費としてまわした.
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次年度使用額の使用計画 |
額が少額なので,この費用のみの計画はない.27年度の予算に組み入れて,その計画の中で使用する.
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