研究課題/領域番号 |
26350268
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
栗山 直子 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 助教 (90361782)
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研究分担者 |
齊藤 貴浩 大阪大学, 経営企画オフィス, 教授 (50302972)
西原 明法 東京工業大学, 工学院, 特任教授 (90114884)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | プログラミング / 批判的思考 / 思考力 / 初等教育 / 理科 |
研究実績の概要 |
プログラミング学習は、論理的構造の理解と実践が、因果関係や問題構造の理解や解釈を促進し、理科系教科はもちろんのこと、さまざまな学習・教育効果をもたらす可能性がある. そこで本研究では、協力小学校計19校、延べ約1200名の児童に対して3年間(2年目までは1校全学年で、3年目は区の教育委員会に依頼をして9校27クラスでプログラミング教育を実施)した。 内容は、高学年は「太陽系シミュレーション、天秤のつりあい、電気の流れ方、ゲームを作ろう等」、中学年では、「星座のシミュレーション、関節の動きの再現、昆虫の足の動きの再現等」、低学年では、「人の足の動きの再現、動物の足の動きの再現、水族館をつくろう等」の内容であった。 主な成果としては、高学年における理科の発展的な学習において、星座や天体の発展学習における太陽系の仕組みをプログラミングでシミュレーションすることによって、その学習効果を検証することを目的とした。プログラミング学習において太陽系の理解が進んだこと、さらにプログラミング学習の動機を学習前後で比較した結果、プログラミングは役に立ちそうだと思う児童が増えたこと、さらにパソコンを用いた学習に肯定的ではない児童は学習前にはプログラミング学習にあまり肯定的な態度を持っていなかったが、学習後には改善されたことが明らかになった。さらに、学習後にプログラミングの理解度を測るテストを行った結果,順序処理と繰り返しを問う問題は全体の8割以上の児童が正解したのに対して,条件判断を問う問題では正解者が全体の3割以下であった.学習後に実施した批判的思考態度尺度アンケートの結果,条件判断まで正解した児童の群が不正解の児童の群に比べ,探究心に関する質問において高い平均値を示す結果となった. これらの研究より、初等教育ににおけるプログラミング学習は、工夫次第で十分有効なICTツールとなることが明らかになった.
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