研究課題/領域番号 |
26350272
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
西 正明 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (50218103)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 教授学習システム / 自己確認学習 |
研究実績の概要 |
作業の自己確認学習システムにおいて,KINECTによる骨格映像の表示機能を付加し,姿勢修正量の表示効果を鋸引き作業等の授業で評価を行うこと。作品の撮影閲覧システムにおいて,LEAPによる画像表示の操作を可能にして,作品評価場面でシステムの評価を行うこと。その中での平成27年度実績は以下の各項目である。 1 作業の自己確認学習システム:KINECTを用いた姿勢修正量の表示効果を鋸引き作業の授業で評価を行った結果,有効性を確認できた。また,姿勢の傾きと切断面の角度に相関があることを確認できた。座標値データから映像を作り出して表示する再生機能は現在未達成であるが,次年度で実現評価する予定である。 2 LEAPでの表示画像の操作機能の実装:作品画像を閲覧する際に非接触で手指の動きで回転や拡大の操作を行うためには,精度の高いモーションキャプチャの機能が必要であるが,LEAPを用いることで,カメラで撮影したデジタル画像の比較や作品画像の閲覧を手指のジェスチャで操作できるようにした。 3 授業実践で評価:作品画像の表示を空中の手指の動きによって回転や拡大の操作を行う機能について学生に対して評価を行った結果,操作性は普段から使いなれているマウスにかなわないが,手が汚れていて触れることができない場面での有意性が明らかになった。作品を鑑賞する授業実践は次年度に行う。 4 成果発表: 国内外の学会(日本産業技術教育学会)において成果発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画に関して,一部完了していないが以下に示すようにその目途は付いている。 1 KINECTを用いた作業の自己確認学習システムについては,自己確認することの有効性は確認できているが,採取した座標値データから映像を作り出して表示する再生機能は現在未達成である。これは次年度に実現して評価する見通しになっている。 2 LEAPを用いた表示画像の操作に関しては基本的な操作を実現して機能的な評価はできたが,この機能を活用した授業実践による評価は未達成である。これは,次年度に作品を鑑賞することによって製作作品をイメージ創造する授業実践を通して,開発したシステムの有効性を評価することになっている。 以上,全てではないが概ね達成できたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度には,平成27年度時点で完成していない機能を実現させて,タブレット端末を中心にして教育現場で使えるシステム開発を行い,実際の授業実践を通してトータルな評価を行う。 1 作業の自己確認学習システムでは,KINECTで取得した骨格の座標値データから映像を作り出して再生表示する機能を実現させる。また,作品閲覧システムでは,自分の製作する物をイメージ立案する場面で,LEAPを用いて作品鑑賞を行う授業実践を行い,LEAPによる画像表示操作を評価する。 2 タブレット端末利用とシステム改善::平成27年度までに実装した作品の撮影閲覧システムについて,カメラで撮影したデジタル画像の比較や作品画像の閲覧をタブレット端末でも表示操作できるようにして利用場面を拡大させる。また,この時点までに開発したシステムを授業実践での評価を踏まえて,使用しにくい部分や非効率的な機能等を洗い出して,システムの改善を行う。 3 授業実践で評価:開発してきたシステムの総合的な評価の枠組みを設定して,撮影閲覧端末にパソコンを用いた場合とタブレット端末を用いた場合の比較評価を行い,タブレット端末を用いた場合の可能性,距離画像センサーKINECTによる骨格映像の表示の効果,LEAPを用いて作品画像を閲覧することの利便性などについて,実際の授業を通してトータルな評価を行う。 4 成果発表と本研究全体のまとめ: 国内外の学会(日本教育工学会,教育システム情報学会,日本産業技術教育学会,ITEEA)において成果発表を行い,本研究全体をまとめて成果報告を行う。
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