研究課題
外科手術の技術習得には長い年月が必要と言われている。若い医師の外科離れを解消する為にも効率的な手術教育方法の確立は急務である。本研究では指導医と研修医•医学生が有する外科手術手技,また指導医と修練医とのチームでの手術手技教育場面における眼球運動を含む身体活動を測定することで、指導医の暗黙知を数値化し,短い期間で技術の習得を行う為の教育システムを開発する事を目的としている。(1) 修練医、医学生を対象とした教育システムの構築(平成27 年度):各手術手技の眼球運動の解析や、取りためたビデオの解析の結果を解りやすく解説した教育ツールを作成した。これを研究室のホームページにのせて見てもらうことで上達が早くなるのかどうか、解析を始めた。(2) 教育システムを用いたモニタリング(平成27 年度から平成28 年度):前述したe-ラーニング教材を一部の修練医,医学生に閲覧してもらい,モニタリングを行った。更にドライボックスを用いた腹腔鏡下の縫合結紮の手技を練習することで習熟度があがるかどうか、チェックした。(3) 新規の術中教育ツールの立案(平成27 年度から平成28 年度):同一手術における指導医と修練医の術中コミュニケーションの解析をおこなったところ、手技が上手く行かなかった修練医との術中の教育は、上手く行ったときに比べると指導内容、コメント数、指導にかけた時間がいずれも多かった。このことより特に上手く行かなかった場面を用いた指導ツールが有用である可能性が考えられた。
2: おおむね順調に進展している
(1) 修練医、医学生を対象とした教育システムの構築(平成27 年度):教育ツールの作成をほぼ終えており、おおむね順調に進展している。(2) 教育システムを用いたモニタリング(平成27 年度から平成28 年度):e-ラーニング教材を一部の修練医,医学生に閲覧してもらい,モニタリングを行ったが、更に得られた実験データの解析が必要であり、やや課題を残した進展度であった。(3) 新規の術中教育ツールの立案(平成27 年度から平成28 年度):次期プロジェクトの発案ができ、予備実験を行えるなど、当初の計画以上に進展した。以上より、全体としてはおおむね順調に進展していると判断した。
(1) 教育システムを用いたモニタリング(平成27 年度から平成28 年度)習熟度を図る方法、習熟度の定義づけが必要であるが、シミュレータ、ドライボックスの解析より、腹腔鏡下手術で必要な能力のうち空間認知能力が最も大切であり、より効果的な練習方法を考案する。(2) 新規の術中教育ツールの立案(平成27 年度から平成28 年度)次のプロジェクトとして、CT画像、MRI画像などの放射線診断、内視鏡検査などの画像診断における眼球運動の解析が新しい教育ツールになると考え、予備実験を開始している。
初年度の謝金の支出が少なかったのが原因です。
最終年度は解析が中心となる為、謝金での支出が増加する見込みです。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件)
胆道
巻: 29 ページ: 832-837
http://doi.org/10.11210/tando.29.832
滋賀医科大学雑誌
巻: 28 ページ: 24-28
Digital Human Modeling
巻: 9185 ページ: 367-373
DOI: 10.1007/978-3-319-21070-4_37
Surg Today
巻: 45 ページ: 1173-1178
10.1007/s00595-014-1042-x
巻: 45 ページ: 652-658
10.1007/s00595-014-1002-5.
Breast Cancer.
巻: 22 ページ: 117-128
10.1007/s12282-013-0459-1.