研究課題/領域番号 |
26350276
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
平岡 斉士 熊本大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (80456772)
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研究分担者 |
中嶌 康二 熊本大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (10565823)
田中 洋一 仁愛女子短期大学, その他部局等, 准教授 (20340036)
松葉 龍一 熊本大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (40336227)
久保田 真一郎 宮崎大学, 工学部, 准教授 (80381143)
桑原 千幸 京都文教短期大学, その他部局等, 講師 (90587479)
鈴木 克明 熊本大学, 社会文化科学研究科, 教授 (90206467)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | eポートフォリオ / 生涯学習 / リフレクション / インフォーマル学習 / オープンソース |
研究実績の概要 |
本研究は,学習者の生涯にわたるスキルアップのために、適切な学習目的設定の支援ならびに多様な学習の総合的な管理と活用を支援するeポートフォリオシステムの構築・実践・評価を行うことを目的とする。26年度は「日本の教育事情に応じた生涯学習支援eポートフォリオシステムの提案を行うため,アメリカのクレムゾン大学,イギリスのサウザンプトン大学,ソレント大学,フランスの南ブルターニュ大学を訪問し,生涯学習のためのeポートフォリオ活用についての実践例を調査した。 また,学習者が希望する将来像を達成するために必要なスキルとして,フォーマルな学びとインフォーマルな学びを自ら統合的に振り返る力に焦点を当て,eポートフォリオを使った学びの中で学習者が「自ら統合的に振り返る力」を身につけていくためのeポートフォリオ設計支援指標の作成を行い,アメリカで開催されたAAEEBLにて発表した。 さらにオープンソースのeポートフォリオの代表的存在であるMaharaの基本機能を調査し,実際にeポートフォリオを設計する過程で,本研究で設計するeポートフォリオにとって必要な機能と改修が必要な機能を整理した。また,他の商用eポートフォリオシステム,オープンソースのeポートフォリオシステムに関する調査のためMahara Open Forum2014や,Ja Sakai Conference 2014 での調査ならびに発表を行った。また,オープンソースやSNSなど既存の技術を用いて,生涯学習支援eポートフォリオシステムを構築するために,学習支援システムとSNSの連携の意義と可能性についての調査と連携プラグインの開発を推進し Moodle Moot2014 にて発表ならびに調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(a) 生涯学習のためのeポートフォリオ活用について欧米の実践例を調査し、日本の教育事情に応じた生涯学習用eポートフォリオシステムの提案を行う。→英米仏の5大学を訪問して欧米でのeポートフォリオの実践事例を調査し,またアメリカで開催されたeポートフォリオに関する研究についての発表が多いAAEEBLの年次大会に参加・発表を行うことで実践例の調査を行った。 (b) 社会人基礎力などのジェネリックスキルと各職種との関連性を調査し、キャリアパスに必要なスキルの分析を支援するデータベースを作成する。→社会人学生が使用するeポートフォリオの設計や文献調査を通じて,キャリアデザインに直結するスキルや能力についての検討を行った結果,eポートフォリオを使った学びの中で学習者が「自ら統合的に振り返るスキル」本研究で提案するeポートフォリオで扱う中心的スキルとすることにし,他のジェネリックスキルをその下位スキルとして位置づけることを決定した。 (c) オープンソースやSNSなど既存の技術を用いて、生涯学習用eポートフォリオシステムを構築し、実践と評価を行う。→オープンソースeポートフォリオシステムMaharaの機能のレビューとその改善の提案を行った。またSNSをeポートフォリオへのデータ入力のゲートウェイとして使う方法の検討を行い,その一段階としてSNSとLMSとの連携をするプラグインの開発を促進している。 以上のように,各目標に関しておおむね順調に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
研究目的(b)「社会人基礎力などのジェネリックスキルと各職種との関連性を調査し、キャリアパスに必要なスキルの分析を支援するデータベースを作成する。」に関して,スキルのコアとして「自らの学びを統合的に振り返るスキル」を設定した。その結果として,各種スキルはコアスキルの下位スキルとして位置づけられる構造になると考えられる。当初はデータベースの作成を計画していたが,「自ら学ぶ」ためのスキルを構成する要素として系列化された形式でまとめることを計画している。
それ以外の計画に関しては当初の予定通りである。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者が2014年4月-9月まで特任教員であったため,本研究の研究時間が十分に取れなかった。また,研究分担者の1名が2014年度に産休で業務を休んでいたため,研究時間を十分に取れなかった。以上の理由による。
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次年度使用額の使用計画 |
現在,共同研究を行っている研究者一名を連携研究者とし,主に開発部分を支援してもらう。その研究・開発費として繰越金を使用する予定である。
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