本研究は,自律的な学習者の育成を目的に,学習者自身がインストラクショナルデザイン(ID)理論を教え合い学び合いのための学習方略として活用する可能性について検討した.本研究では,ID理論に関わる11種類の教材テキストを作成しての授業実践を行い,ID理論を学生が学びに活用できるのかどうかを検証した.結果として,9教授事象やARCSモデルが支持された.使いやすく理解が容易であることや,役に立ったことなどが理由であった.また授業半年後の追跡調査からは,3つのテスト(事前・事後・前提)が支持された.本研究を通して,ID理論が学習者の教え合い学び合いの質向上に寄与することが示唆された.
|