研究課題/領域番号 |
26350283
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研究機関 | 十文字学園女子大学 |
研究代表者 |
池田 まさみ 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 教授 (00334566)
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研究分担者 |
宮本 康司 東京家政大学, 家政学部, 講師 (00447575)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | キャリア教育 / 高校生 / クリティカルシンキング / 基礎的・汎用的能力 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、高校生のキャリア発達に関わる諸能力「基礎的・汎用的能力」を育成すべく教授法および学習教材(ワークブックなど)を開発することである。将来的には教育現場での実用化を目指し、「高校生向けキャリア教育カリキュラム」を考案することがねらいである。研究初年度となる今年は、申請者および研究分担者、現場の教員を中心に「キャリア教育研究会」を立ち上げ、定期的に研究会を開催し、課題達成に向けて検討した。 主な検討事項は、(1)キャリア教育の核となる「クリティカルシンキング」を中心とした思考体験のための学習素材の選定、および、生徒がクリティカルシンキングなどを効果的に体験・習得するための教授法と学習教材の作成、(2)開発教材を使用した現場教員による授業実践、 (3)高校生版クリティカルシンキング尺度、および、キャリア能力(基礎的・汎用的能力)尺度の開発にかかる調査の設計と実施、の3点であった。 (1)および(2)については、本研究の連携高等学校において、1年生および2年生を対象とした学習教材(90分授業×5セット、うち1回は講演形式)を作成した。それら学習教材を用いた授業を計5回(1年生2回、2年生3回)実践した。また(3)の調査研究に関しては、専門分野の研究者の協力を得てアンケート設計を行い、連携高等学校を含む複数の高等学校の1年生と2年生(約1500名)を対象に、パネル調査(計2回)を実施した。現在、調査データの収集を終えた段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
初年度(26年度)に遂行すべき課題は、(1)学習教材の開発、(2)学習教材を用いた授業実践、(3)基礎的・汎用的能力を測定するための調査設計、までであったが、これらの課題をすべてを達成すると同時に、(3)の調査については、実際に複数の高等学校の1・2年生を対象にパネル調査を実施し、データを収集に至った。このため、当初の計画よりも順調に進展していると考える。 また、次年度以降のキャリア教育に関する授業実践(学習テーマ、学習形式、学習目標等)およびデータ解析・効果測定の分析等についても具体的な検討に入っている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度(27年度)は主に、(1)クリティカルシンキングトレーニングを取り入れた学習教材(ワークブック)を活用し、高校生向け「キャリア教育プログラム」(授業実践)を継続的に実施する、(2)26年度のパネル調査のデータを基に、「キャリア教育プログラム」の効果について検証する、(3)高校生版クリティカルシンキング態度尺度、および、キャリア能力(基礎的・汎用的能力)尺度の開発、の3点を行う。 (2)については、調査項目に基づき、「クリティカルシンキング態度」「キャリア意識」「精神的健康度」などの関係を中心に、因果分析を行う。また、授業実践の振り返りに基づき、学習教材(キャリア・クリティカルシンキング・ワークブック)および教授法(授業プログラム)の完成を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
教材作成のための資料(図書等)を購入しようとしたが、今年度の助成金では金額が不足となってしまうため、次年度の予算を得て改めて使用することとした。これにより、次年度使用額が生じてしまった。
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次年度使用額の使用計画 |
教材作成のための資料(図書類)を予定している。
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