研究課題
本研究の目的は,今後の大学教育を展望し, 10年間単位を想定して,先導的にゼミ活動支援の方式を提案する.具体的にはSMS:Seminar Management System統合ゼミ活動支援システムの開発とその効果の実証である.2017年度は,特に基本的設計理念に基づき,改めて大学におけるゼミの実態調査を実施し,ゼミ形態の分類および形態に基づくゼミの共同体意識形成要因を明確化した.国立大学5校,私立大学16校の計21校を対象に,いわゆる文化系学部:人文科学・社会科学・家政・教育系の学部でゼミに所属する大学4年生に対してアンケート調査及びインタビュー調査を実施し,50ゼミ計216名の回答が得られた.ゼミ形態に関して,①グループでの共同活動,②個人での活動,③教員による知識伝達の3要素の有無について調査し分類・検討を行った.②と③のあるゼミが24で最多であったなどの結果から,他者と密接に関わり合い,互いに助け合いながら幅広い活動を行うゼミ活動が好ましいことが示唆された.さらにゼミ活動における構成員間の関わり方と共同体意識の形成の関係についてアンケート調査を実施し,因子分析によってゼミ活動とゼミ構成員との関係性に関する潜在因子と共同体意識に関する潜在因子を抽出した.さらに,推定された因子代表値を用いて多重比較検定と重回帰分析をおこなった.結果,共同体意識形成にはグループ活動が最も効果的であることがわかった.また,共同体意識形成の際に重要となるゼミの構成員の関係性を提言した.
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日本教育工学会論文誌
巻: Vol.41, No.3 ページ: 187-188
https://doi.org/10.15077/jjet.42026