研究課題/領域番号 |
26350305
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
松崎 邦守 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (90584160)
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研究分担者 |
北條 礼子 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (50199460)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 教育工学 / 教師教育 / 教師ポートフォリオ / 小学校外国語活動 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、平成23~25年度基盤研究(C)において開発した「外国語活動担当教員養成のためのポートフォリオを活用したゲスト・ティーチャー活動モデル」を、同教員の質保証の観点から、汎用性のあるスタンダードを本研究の目的に即して組み入れることにより改善・精緻化し、実践の上、その効果を明らかにすることである。 平成26年度は、本研究に適用可能なスタンダードを抽出・組み入れた外国語活動教員養成のためのゲスト・ティーチャー(GT)活動のパイロット・モデルの考案を試みた。具体的には、小学校教員志望の学生が大学における教育課程内の授業科目において、地域の小学校を訪問し、GTとして外国語活動の授業実践を行うGT活動を設計した。併せて、外国語活動の教科化への動向に対応すべく、同設計には、スタンダードを基盤とした教員養成という観点から、関連するスタンダードの今後の策定に影響を与えると予想される2013年改定版InTASCのModel Core Teaching Standardsを組み入れた。同スタンダードは、①全教科および小学校を含む様々な学校種の教員を対象としている、②最新の学習科学や教師教育学の知見が活かされ、学習者はいかに学び成長するのか、個の差異を活かす学習など10の核になるスタンダードの中で、教師が身につけるべき実践力や必須の知識、構えを、有機的に関連付け構造的に示していることなどが挙げられる。加えて、同スタンダードにはポートフォリオの活用が想定されており(Campbell他, 2013)、力量を教師がどのようなプロセスを経て身につけ発展させていくのか明示されており、本研究にとって参照すべきスタンダードと考えられる。 本年度の本研究の経過・結果については、日本教育工学会第30回全国大会、および日本教育大学協会研究集会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
以下の、理由により、おおむね順調に進展していると考える。
1.外国語活動担当教員に求められるスタンダードの策定に影響を与えると予想される2013年改定版InTASCのModel Core Teaching Standardsについて文献調査を行うことができた。 2.同スタンダードを組み入れた外国語活動教員養成のためのゲストティーチャー活動モデル(試案)を考案し、試行することができた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、以下のことを実施する。 1.Council of Chief State School Officers(米国各州教育長評議会)を訪問し、InTASC(2013)のスタンダードや米国の教員養成プログラム、インターン(実習)ポートフォリオ、インターンのサポートシステムなど、本研究モデル開発・設計に必要な聞き取り調査および関連資料を収集する。 2.外国語活動担当教員が身につけるべき知識やスキル、授業実践力、資質などについて調査する。 3.前年度の考案した試行モデルを精査し、スタンダードを組み入れた外国語活動教員養成のためのゲストティーチャー活動モデル(試案)の改善版を考案する。
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次年度使用額が生じた理由 |
26年度に、ワシントンDC.にあるCouncil of Chief State School Officers(米国各州教育長評議会)を訪問し、InTASCや米国の教員養成プログラム、インターン(実習)ポートフォリオ、インターンのサポートシステムなど、本研究モデル開発・設計に必要な聞き取り調査および関連資料を収集する計画であったが、訪問先との日程調整などがうまくいかず訪問が実現しなかったことや、予定していたデータ分析のためのソフトなどの購入を実行しなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
1.旅費については、米国各州教育長評議会を訪問しInTASC(2013)のスタンダードに関する調査を行うなどの海外出張や、日本教育工学会をはじめとしたいくつかの国内学会出張等を計画している。 2.昨年度に引き続き、本研究に関連する文献などを購入する。 3.データ分析のためのソフトなどの購入を実行する。
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