本研究の目的は、平成23~25年度基盤研究(C)において開発した「外国語活動担当教員養成のためのポートフォリオを活用したゲスト・ティーチャー活動モデル」を、同教員の質保証の観点から、汎用性のあるスタンダードを本研究の目的に即して組み入れることにより改善・精緻化し、実践の上、その効果を明らかにすることである。 本年度は、26年度および27年度の研究成果を踏まえ、本研究に適用可能なスタンダードとして参照したInTASC Model Core Teaching Standardsを適宜組み入れた「外国語活動担当教員養成のためのポートフォリオを活用するゲスト・ティーチャー活動モデル」の実践に関する評価を、ゲスト・ティーチャーとして参加した学部生から得られたデータを基に検討した。分析方法は、ゲスト・ティーチャーの参加者が2名であったため、個人別態度構造分析(PAC分析)を用いた。また、トライアンギュレーションの観点から、本研究において開発したゲスト・ティーチャー・一見ポートフォリオを基に分析した。PAC分析の結果、参加者が本研究モデルに基づく実践への参加に満足していたことが示された。また、ポートフォリオからは、スタンダードに基づいて指導案の作成や授業実践、省察活動を繰り返したことが有益であったこと、また特に参加者が任意に選択したInTASCのスタンダードNo.2 “Learning difference(学習者の違い)”に関連して、児童一人ひとりの異なるゴールを明確に意識し教材研究をする必要性や観察眼をもっと磨く必要があることなどに、参加者が体験的に気づけたことなどが認められた。 本年度の本研究の経過・結果については、日本教育工学会第32回全国大会において発表した。
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