研究課題/領域番号 |
26350314
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
東 昭孝 金沢大学, 総合メディア基盤センター, 特任助教 (80513134)
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研究分担者 |
笠原 禎也 金沢大学, 総合メディア基盤センター, 教授 (50243051)
高田 良宏 金沢大学, 総合メディア基盤センター, 准教授 (30251911)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | データウェアハウス / Institutional Research / ポータルサイトシステム / 教材情報システム |
研究実績の概要 |
申請者らが開発した他大学への導入を容易に素早く行えるプラグイン方式汎用ポータルサイトを拡張することで,各大学で利用可能な大学向けポータルサイト利用促進に資する汎用データウェアハウス機能の実現し.大学のIRや各種データを分析・解析にも利用可能な,汎用データウェアハウス機能を持つプラグイン方式汎用ポータルサイトとして提供できることを目指して開発を進めた. 今年度は,本学で運用している全学ポータルサイトのアカンサスポータルの機能を参考に,汎用的なデータ連携機能,簡易な入力インターフェースの仕組みの検討を行い,必要な機能の基本設計を進めた.またデータの統計情報の可視化の手法についても設計を進めた. その後,仮想化用サーバを購入し,環境構築,基本的な初期設定を行い,開発の準備を進めた.仮想化サーバ上の開発環境の整備後,汎用的ポータルのデータ連携機能を中心に,仮想化上でプロトタイプ版の開発を進め,開発した機能のテスト,検証を行った. 合わせて,データ連携とデータウェアハウスの技術検討,および実際に他大学のデータウェアハウスやIRの動向調査を直接訪問や勉強会に参加して検討を進め,仕様の確認,問題点の整理,大学内で利用される全学情報サービスに関する機能の調査と,ポータルとの整合性の問題の調査も行った. また本学では,学内用に教学IR用のシステムの構築を行う取り組みを始めた.その委員会に委員として参加し,来年度から本格的に開発を開始する予定である教学IRシステムの仕様の検討や資料の作成を行い,その成果を本研究にフィードバックすることで,効率よく仕様の策定や開発を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
仮想化上でOSを動作させるための仮想サーバの購入,設置,仮想化ソフトウェアのインストール,設定,仮想OSの作業は,業務上の知識を活かして順調に作業を完了した. 基本設計についても,現状のアカンサスポータルの仕様,機能を参考にしながら,順調に設計作業を進めた.また本学で教学用のIRシステムの構築の取り組みが始まり,その委員会に委員として参加し,各IRの専門家や他の職員などの意見を取り入れたことや,他大学にデータウェアハウスや,IRの取り組みについての視察や,学会で他大学のIRなどの紹介,取り組みについて情報の収集を行い,その情報を本研究に活かし効率よく設計を進めた.その上で汎用的なデータウェアハウス,分析,閲覧用のIRシステムのプロトタイプの開発を行い,教学用と今回の研究テーマの1つである汎用的なシステムを相互にフィードバックしながら効率よく設計,業務,開発を進めており,おおむね順調に計画通り進んでいると評価できる.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,汎用的なデータウェアハウス,IRシステムの設計,プログラムの開発に力を注ぎ,データベースのスキーマ定義も同時に進めて,基本的な機能が実際に動作するプロトタイプを構築していく.ある程度システムが動作するようになった段階で,本学での運用データを投入して,データウェアハウスとしてデータの蓄積を自動で行い実践データで問題が発生しないか確認しながら研究を進めていく. また実際のデータを利用した統計情報や機能について,本学のIRの関係者や教学IRの担当者に実際にシステムを利用してもらい,システムとして問題がないか検証を進める.発生した問題点,要望を精査して,改修を行ってテストを重ねていく予定である.大きな問題がないことが確認できた際は,可能なら他大学等の協力を仰ぎ,テストケースとして使用して,汎用的に使用することで問題がないか,更なる問題点の洗い出しや要望等を精査して,更に改修を進めていく予定である. その後,システムを利用するだけでなく,IRとしての活動そのものに活かせるよう,学内で積極的に活動を行い本学のIRとしての指針の決定や本運用できるように進めていきたい.その経験を元に更にシステムの改修を行い,他大学でも耐えられるような汎用的なシステムとして研究を進めていきたい. また研究成果の公開として,公開用Webサーバの構築を行い,外部に公開を行い,順次研究成果を公開していく予定である.その中で,テスターの応募も行い,できるだけ多くのテストケースを行えるように進めたい.機会があれば,学会や論文投稿等で,積極的に現在の状況や研究成果を公表していく.
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度はサーバに,複数の仮想OSサーバを導入して,小規模な実験システムとして検討を行った.現状は必要十分な性能な為,予定していた性能の増強はせずに予算を持ち越した.また学会で発表予定だったが,業務的に参加が難しかったため参加を見合わせた.そのため予定していた旅費や投稿にかかる経費を持ち越した.
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次年度使用額の使用計画 |
次年度はサーバを増設し,実用規模での実験システムを用いて検討を進める予定であった為,持ち越した予算分を増設用に上乗せして,必要な性能を確保する計画である.また学会発表を見送ったが,更に進展した内容で学会発表を予定しており,持ち越した経費を,その参加費や旅費に割り当てる予定である.
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