研究課題/領域番号 |
26350320
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
湯地 宏樹 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (50290531)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | スマートフォン / タブレット / ゲーム / 遊び / 幼児 |
研究実績の概要 |
保育園・幼稚園児・小学3年生までの保護者及び小学4年生以上の児童生徒を対象にスマートフォン/タブレットゲームなどデジタルメディアに関するアンケート調査を2回(1回目調査(2016年7月)478名,2回目調査(2016年12月)413名)実施した。調査を2回実施した。 その結果、保育園・幼稚園児・小学3年生までの家庭におけるメディア遊びの割合(「まあまあ」+「よく遊ぶ」の割合%)は、絵本83%、テレビ91%、スマートフォン36%、タブレット26%、ゲーム機は20%を下回っていた。子どもと保護者のメディア行動は正の相関にあったが、子どもの絵本と保護者のゲームには負の相関がみられた。 生活習慣、自己主張、自己抑制、がんばる力に関してはデジタルメディアの使用時間の影響は見られなかった。しかし、熱中度(依存傾向)には因果関係が認められた。デジタルメディアの効果と悪意影響の両方にデジタルメディアの使用時間の因果関係が認められた。また2回目のデジタルメディアの使用時間には1回目のデジタルメディアの効果の影響もみられた。これらの結果から、デジタルメディアを多く使用しているほど、デジタルメディアの効果や悪意影響の両方をもち、プラスの効果を感じているほど、デジタルメディアを多く使用していることが示された。 デジタルメディアのルールや約束など保護者が「よく言っている」ほうが子どものスマートフォン/タブレット使用時間「30分以上」という割合が最も少ないのに対して「ときどき言っている」は最も多かった。ルールや約束など「よく言っている」と使用時間が抑えられていると解釈できる。 なお、2017年2月には結果概要を保護者方に配布するとともに専用ホームページを開設して情報公開を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は(1)乳幼児のスマートフォン/タブレットゲーム遊びは乳幼児の心身や生活にどのような変化をもたらしているかを明らかにすること、(2)スマートフォン/タブレットゲーム遊びの操作性と視知覚技能との関係を明らかにすることを計画している。 しかし、研究(2)の実験材料の検討が難航したため、予備実験に留まっている。 そのため、補助事業期間延長承認申請書を提出し、承認(平成29年3月21日)されたところである。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は研究(2)スマートフォン/タブレットゲーム遊びの操作性と視知覚技能との関係の調査を完了する。具体的には、①メディア接触状況についての事前調査、②幼児の視知覚技能の標準検査の実施、③スマートフォン/タブレットゲームプレイ場面の眼球運動測定装置を使って停留時間、停留回数などを記録する。 また研究(1)乳幼児のスマートフォン/タブレットゲーム遊びの実態調査については、平成29年度子ども社会学会大会で口頭発表する。 補助事業最終年度に当たるので、これまでの(1)(2)の研究成果を報告書にまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は研究(2)スマートフォン/タブレットゲーム遊びの操作性と視知覚技能との関係の調査を遂行するために調査協力者に対する謝金や補助事業最終年度としてこれまでの研究成果を報告書にまとめる必要があるため。
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次年度使用額の使用計画 |
文具類291円、研究成果報告書80,000円、謝金20,000円
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