本研究の目的は、(1)乳幼児のスマートフォン/タブレットゲーム遊びは、乳幼児の心身や生活にどのような変化をもたらしているかを明らかにすること、(2)スマートフォン/タブレットゲーム遊びの操作性と視知覚技能との関係を明らかにすることであった。 乳幼児及び小学1年生から3年生の保護者及び小学4年生から6年生児童・中学生生徒に2回調査を実施した結果、保護者の約5割が「生活のリズムが乱れた」などの悪影響観をもっていたこと、②「親が注意するまで、デジタルメディアを使い続けることがある」など依存傾向の割合は2歳児以上で5割を超していたこと、③「見る(使う)時間の長さ」「見る(使う)姿勢や画面との距離」などルールや約束について7割以上の保護者が「よく」「ときどき」言っていたこと、④幼児のメディア行動と保護者のメディア行動は類似していたこと、⑤生活習慣のスマートフォン/タブレットゲームの使用時間への負の影響がみられたこと、⑥スマートフォン/タブレットゲームの使用時間と依存傾向は双方向的な正の影響がみられたこと、⑦直接画面にタッチして操作する「タッチパネル操作」と、タッチペンやゲームコントローラー、マウスなどデバイス機器を介して操作する「デバイス操作」の点で「スマートフォン/タブレット」と「据置型ゲーム/携帯型ゲーム」ははっきりと区別されたことなどが明らかになった。 今後の課題としては、生活習慣の悪化→スマートフォンの悪影響や依存傾向→スマートフォン/タブレットの使用時間も長くなるという悪循環やそのプロセス、操作性と視知覚技能との因果関係についてさらに研究をすすめ、質的・量的研究の両面から検討していきたい。
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