研究課題/領域番号 |
26350324
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
日高 重和 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (30380885)
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研究分担者 |
竹下 浩明 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (40380886)
永安 武 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (80284686)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 外科医教育 / Virtual Reality シミュレータ |
研究実績の概要 |
平成26年度の研究実施計画に沿って、外科手技トレーニングコース以下の4項目を構築して実施した。 1)ブタ臓器を用いたWet labo トレーニング・セミナーを開催した。医学生、研修医を対象に、外科手技トレーニング(ベーシックコース)を企画した。一般外科手技としてブタ臓器を用いたWet labo トレーニングを、平成26年8月9日および平成27年2月7日に実施した。参加人数は30-40名であった。修練に用いたブタの臓器は、皮膚、腸管、肝臓、胆嚢、胃、肺を準備して修練を行った。さまざまな皮膚縫合から、腸管吻合、胃の郭清、切除再建は縫合器で実践した。肺の気管支形成術を行った。2)内視鏡外科の基本手技の修得を目的として、Dry box トレーニングを行った。Wet laboトレーニングコースの中に併設して修練を行った。鏡視下練習器iSim-systemを用いたて鏡視下縫合の練習を行った。3)Virtual Reality シミュレータを用いた腹腔鏡下手術トレーニングを実施。医学生3-4年生を対象にした少人数ゼミでLapVR システムを用いてトレーニングを実施した。カメラワーク、鉗子操作、クリップ操作、及び腹腔鏡下胆嚢摘出術の修練を行った。4)ブタ生体を用いたAnimal Labo トレーニング・セミナーを開催した。平成27年1月31日にTSC東京サイエンスセンター.(ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社)の施設を用いた。7名の修練医・研修医を対象にした。3テーブルを使用し、腹腔鏡下手術では胃切除・再建を、胸腔鏡下肺切除の修練を行った。 本研究で実施した外科トレーニング内容は、普段の医学教育だけでは修練が難しい外科手技実習の内容であり、医学生、研修医、修練医と各々のレベルでのスキルアップの意義がある。受講生のアンケート回答からも満足度は高い成果が得られている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の外科トレーニング・プログラムでは以下の6項目を掲げて研究計画としている。(1)ブタ臓器を用いたWet labo トレーニング・セミナーを開催、(2)内視鏡外科の基本手技の修得を目的としてDry box トレーニング、(3)Virtual Reality シミュレータを用いた腹腔鏡下手術トレーニング、(4)ブタ生体を用いたAnimal Labo トレーニング・セミナーを開催、(5)3D printing技術による実体臓器モデルを作成して、外科手技トレーニング、(6)Virtual Reality シミュレータを用いたロボット支援手術トレーニング。 そのうちの5項目については実際に実施しており、おおむね進展としては良好である。(5)の3Dプリンタによる実態臓器モデルは試作段階であり研究途中である。
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今後の研究の推進方策 |
外科トレーニングコースの構築としては、ある程度実践できているが、今後は各トレーニング方法における評価方法についての検討が必要であり、客観的に計測できるタスクなどが必要と考える。今後、適切な評価方法を検討して導入していく。3Dプリント技術による臓器モデルでは、設計図となる臨床画像の画素数が少なく造型が非常に困難なこともあった。そのため、臨床での高解像度撮像が望まれ、今後改善していく予定である。3D printingでは、プリントを行う特殊樹脂のマテリアルが必要であり、外科トレーニングに耐えうる様なより生体に近い材料を模索し試作を繰りかえす必要がでてくる。そのため材料樹脂のコストが多くなると考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度研究計画の設備備品費として予定していた解析用ノートパソコン(1台×130千円)はまだ購入せず、自施設の既存のパソコンを借りて3D造型などの処理を行ったため、おおよそその分が未使用費となっている。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度以降に予定している本格的な3Dプリンティングによる造型のためのマテリアル購入費、またサポート剤に費用が増加すると思われ、使用することを考えている。
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