研究課題/領域番号 |
26350325
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
永井 孝幸 熊本大学, 総合情報統括センター, 准教授 (00341074)
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研究分担者 |
名古屋 孝幸 鳥取環境大学, 人間形成教育センター, 准教授 (90349796)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 手書き入力 / タブレット |
研究実績の概要 |
本年度の研究では手書き板書教材の作成に必要となるタブレット端末の技術要件の確定、手書きストローク切り出し処理の検討ならびに実装を行った。 タブレット端末の候補としてiPad,Androidタブレット,Windowsタブレットから画面サイズ・タッチパネル実現方式の異なる複数機種を選定し、手書き教材の作成に耐えるか検証を行った。その結果、静電容量方式のタッチパネルでは十分なペン入力精度が得られず、デジタイザ方式のタッチパネルが不可欠との結論を得た。A4サイズ相当の大きさで教材を作成するには、画面サイズは12インチ以上の大きさが理想的であるが、10インチ以上あれば実用的な利用が可能であると結論した。 次に、ペンデジタイザから得られたペンストローク情報を元に、文字ストローク切り出し処理を行う手法について検討を行った。教材で作成する文書は日本語で一行ずつ規則正しく記述されるものと仮定し、(1)行の高さの推定、(2)行の高さに基づく文字幅の推定、(3)推定文字幅に基づく近接ストロークのクラスタリングの順で文字切り出しを行う手法を考案した。 タブレットへの外部映像入力方式についても検討を行い、(1)HDMI入力に対応したUVCキャプチャデバイスを用いる方式、(2)小型LinuxサーバとHDMI信号入力ブリッジを組合わせて簡易キャプチャデバイスとして用いる方式の2つの方式が有望であるとの結論を得た。 本研究で想定している手書き板書方式教材の作成が普及価格帯の市販機材で行えることが確認できたことは、本研究の実用化に向けた重要な一歩である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定よりも手書き文字切り出し処理の基礎検討に時間を要したため、年度後半に予定していた教材収録システムの開発を終えることができなかった。このため、やや遅れていると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
本年度考案した文字切出し手法、外部映像入力方式を組合わせた教材作成支援システムの開発を速やかに行う。既存のライブラリやオープンソースソフトウェアを流用することで開発を効率よく進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定よりも手書き文字切り出し処理の基礎検討に時間を要したため、教材収録システムの開発に必要な機材一式の購入を次年度に先送りしたことが残額が生じた大きな理由である。
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次年度使用額の使用計画 |
教材収録システムの開発に必要な機材を導入してシステム開発を迅速に行う。更に、今年度の目標である合成音声を用いたナレーション差し替え機能の実現に取り組む。中間的な成果が得られた段階で学会発表などの対外発表を行う。
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