教師の黒板前の動きには、3つの特徴があることが明らかになった。1つ目は、まったく動かない状態である。これは、初期の模擬授業で見られる。子どものところまで行って、どのようなノートを書いているか、教科書のどのページを開いているかなどの様子を観察することなく、教卓を中心に授業をする状態である。2つ目は、黒板の左から右へ動くものである。動きはだいたい直線的である。黒板の右端まで行くと左端に戻り、消しながら新たに板書を始める。3つ目は、複雑に黒板前、ときには教室内を頻繁に動き回る状態である。教育実習に行くと、この状態になることが多く、教師が現場で成長していることが、新たな仮説として生まれた。
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