研究課題/領域番号 |
26350345
|
研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
影戸 誠 日本福祉大学, 国際福祉開発学部, 教授 (50351086)
|
研究分担者 |
佐藤 慎一 日本福祉大学, 全学教育センター, 教授 (10410763)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 国際連携 / 英語プレゼンテーション教材 / Teaching Presence / 国際協働プレゼンテーション / NGO連携 / 構成主義 |
研究実績の概要 |
本研究は、交流実績のあるカンボジアやフィリピンなどの海外大学とICTと対面のハイブリッドによる「実践共同体」を構築し、共同科目「英語プレゼンテーション」を実施する。交流のプロセスをファイル・画像としてサーバに蓄積し、コミュニケーション力を高める英語教材を開発する。これらの学習成果は夏に開催される対面の国際協働学習場面「ワールドユースミーティング」(以下WYM)で行う協働プレゼンテーションで発揮させることを目標とし、2年目の研究を行った。 英語教材の開発では、オーセンティックな教材を開発した。国際協働プレゼンテーションイベント、ワールドユースミーティング(WYM)にやってくる海外大学の学生の自己紹介、国の紹介などの録画を行い、これらを教材として活用した。また ネイティブによる再録音を行い、教材のクオリティを高めた。プレゼンテーション項目の中に、一人当たりのGDP比較、教育制度、教員の給料比較、米や肉の値段比較など設定し、グローバル人材を目指す学生として知るべき事項を、Skype、対面、教材整備を通して、国際連携授業を行った。 協働プレゼンテーションの場として8月1日から11日まで日本福祉大学にてWYMを行った。文化の異なる者同士で、衝突の意味を理学修させ、国際調整力の獲得をテーマに、協働プレゼンテーションに臨んだ。これらの成果は http://www.japannet.gr.jp/w2015/から見ることができ、28本の動画コンテンツが掲載されている。特に、全体会での発表と、インタラクションを重視したセッションを設定し、英語コミュニケーションが国際福祉分野でいかに必要かを追及した。新デザインで作られたアクティブラーニングルームを使用した効果的な学びの方法についても明らかにした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
海外との連携授業はスカイプを通して行われる。日本側は国際交流ファシリテーション演習や英語プレゼンテーションの授業で取り扱っている。事前に相手側からPPTファイルの送信を受け、それらの単語レベルをチェックする。学生の能力に見合った3000語レベルに適合するよう相手側に改訂を依頼した。途上国が相手であることが多いので事前の通信テストを行い、1分間120-150語レベルのスピードで話してもらうことを依頼する。授業内では、キーワードを残したPPTファイルを100名程度の受講者に配布し、理解を助ける。画像を録画し、次回の授業の中で教材として再度内容を確認する。このようなサイクルで授業を展開している。この中で明らかになったことは、受講学生の英語バッファ―(英語対応能力)に見合ったセッション時間などである。10-15分程度が適切であり、このような条件を活かし、28年度は展開していく。 文部科学省の後援を受けて展開した国際協働プレゼンテーション大会第17回は、英語コミュニケーションを継続させ、対面で協働作業を行う機会を与えるなど、教育効果の高いものであった。さらに28年度も継続して取り組みたい。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度も引き続き、海外連携校との授業を展開する。カンボジア王立プノンペン大学やミンダナオ国際大学など、異なる国とさらに授業展開の中で連携を深め、学習教材となる英語プレゼンテーションをサーバに上げていく。これまで明らかになったコンテンツの要素を活かし作成に取りかかる。特にICT活用が学習時間を拡大させることに注目し、学習の最近接領域(Zone of Proximal Development)に注目し音声、動画をネットワーク上から与えつつ練習場面を増やしていく。 今年度も18回目となるWYMを開催する。その中で授業で登場した海外学生と協働プレゼンテーションに取り組ませ、その成果物を動画で収録し、コンテンツ化していく。今年度のテーマは、”Building our Shared Future Our commitment to the next ten years"とする。 学部の特性である”国際福祉”をキーワードとして、カンボジアでは現地NGOと連携をとり、英語プレゼンテーションなど作成していく。 今年度は最終年度となるため他の研究者との国際連携授業の研究成果の共有を図っていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
フィリピンへの協働授業展開のための打ち合わせなど、3月下旬となったため、その経費は28年度とした。またカンボジア現地でのインタビュー収録など年度末での実施のため経費計上が次年度となった。
|
次年度使用額の使用計画 |
カンボジアへのインタビュー謝金などが発生する。またフィリピンへの海外旅費の精算を行う。
|
備考 |
これまで作成した、協働プレゼンテーションの動画など
|