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2016 年度 実績報告書

異文化「体験」を活かす学習環境デザインの開発―原初的コミュニケーションの観点から

研究課題

研究課題/領域番号 26350348
研究機関関西大学

研究代表者

久保田 真弓  関西大学, 総合情報学部, 教授 (20268329)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード異文化コミュニケーション / 非言語コミュニケーション / 集団 / 同調傾向 / リズム / 時間論 / 学習環境デザイン / 記号論
研究実績の概要

本研究の目的は、異文化接触時における大学生の「体験」を認知だけでなく情動と行動に着目して把握することを目指し、異文化理解促進のための学習環境デザインを開発することである。また、その理論的背景としては、「原初的コミュニケーション」を援用し記号論を土台としたコミュニケーション理論の構築を目指した。
研究対象としては、毎年実施しているフィリピンでのスタディツアーにおけるゼミ生の異文化体験を取り上げ、参与観察、インタビュー、質問紙調査、PAC分析で分析、考察した。
最終年では、異文化「体験」の意義を考えるうえで「個」の体験だけではなく「集団」に着目した。10日間のスタディツアーでの様々な活動を軸に省察する過程で気持ちの揺らぎも捉えることにした。具体的には、気分グラフに度数で記録してもらい、それを基にインタビューした。その結果、スタディツアーの後半では、活動実践の目的が各人明確になり(腑に落ち)、そのうえで実践したため各人の満足感と協調的行動とが連動し、それを各人が自覚できていることが明らかになった。
McTaggart (1927, 入不二2002)の時間論には、E系列の時間すなわち対話的時間がある。これは、時計や時制で区切られる時間ではなく、他者との関係で成り立つ時間のことであり生きていることを示すリズムと変化があるだけのものである(野村,2010)。コミュニケーション学の同調傾向にも重なるものである。集団の実践で重要なのは、この「リズム」が現出することで、そこから逆に同じ目標が共有できているかもわかるだろう。このような観点から集団生活や協働作業の意義を見直し、異文化「体験」を活かした学習環境デザインを考える必要があると考える。記号論でいえば、シンボル(言語)だけではなくシンプトム(徴候)やセンブランス(模倣や習慣)を基にしたコミュニケーションの再考である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017 2016

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 言語・非言語コミュニケーション再考 ―恣意性に基づく記号から―2017

    • 著者名/発表者名
      久保田真弓
    • 学会等名
      異文化間教育学会
    • 発表場所
      東北大学
    • 年月日
      2017-06-17 – 2017-06-18
  • [学会発表] フィリピンにおけるスタディツアーでの学び―コミュニケーションのデジタルとアナログの側面に着目して―2016

    • 著者名/発表者名
      久保田真弓
    • 学会等名
      日本教育メデイァ学会
    • 発表場所
      奈良教育大学
    • 年月日
      2016-11-26 – 2016-11-27

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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