演奏音を分析する際の2つの課題,1)近接する音の漏れ込みが発生すること,2)オクターブ間の音の漏れ込みが発生すること,に対処するため,LMS(最小平均2乗)アルゴリズムに時変性と周波数変動の耐性を取り入れた方法を計算機シミュレーションにより検討し,御神楽等の演奏音の採譜処理を行って基本的な性能を確認した.次に,御神楽等の分析を行いその判定結果を広く普及しているMIDIファイルへ変換するシステムを開発した.このシステムには,演奏音が誤ったことを検出する機能がつけている.これにより,共通の楽譜が存在しない神楽の伝承の1つのツールを開発できたと考えている.
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